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JAの活動:JA全国機関中核人材育成研修会

【JA全国機関中核人材育成研修会・1】JAの将来担う職員養成へ2019年12月2日

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 JA全中はJAの要望に応える人材を育てるため、平成21年から「JA全国機関中核人材育成研修」を行っている。JA全国機関の幹部職員としての活躍が期待される次世代リーダー職員を対象とする研修で、チームを編成し、JA全国機関が連携してどのような事業ができるかを研究し提案する。今回は二つのチームが提案をまとめ、11月15日に東京・大手町のJAビルで発表した。

◆4セッションで調査・協議

 研修の対象は入職後10年程度の業務経験を持つ30~35歳の職員で、4セッションにわたる合宿型式で延べ6日間の集合研修を実施。第1セッションは、JAグループを取り巻く情勢と課題、および戦略の把握を目的にJAの自己改革、全農の自己改革、JA共済事業、農林中金のそれぞれ情勢と課題を学んだ。併せて埼玉県のJAいるま野の直売所、営農販売センター、農機センターなどの施設を視察し、役員のヒアリングを行った。
 第2セッションは、マーケティング理論に基づき、企画作成におけるストーリー化の感性を養うことを目的に、コンビニエンスストアや百貨店のビジネス、経営を学んだ。
 第3セッションはグループごとに全農本部・愛媛県本部、それに農業生産法人たいよう農園、JAはだの、日本生協連、JA全農宮城県本部などを視察・調査した。これらの結果を第3セッションで討議してまとめ、第4セッションはその発表会となった。
 発表内容はそれぞれ「冷凍野菜の産地開発による新たなJAグループの価値創造から」と「JA全国連と生協による協同事業会社の設立について」。JA全中教育部教育企画課の田村政司課長は「いずれの提案も優れた内容で、研修の成果が十分に表現されていた。野菜の冷凍加工品については、共働きや高齢世帯におけるニーズのみならず、受講生自身の生活実感をもとにまとめられていた。生協との連携については、まさに協同組合として、これから多くのJAで歩むべき道と感じた。研修を通じて得た仲間との末永き交流を望む」と激励した。
 なお、発表会ではJA全中の石堂真弘常務理事が訓辞を送った。そのなかで同常務は、これからのJA職員にとって、現場で汗を流している人とのコミュニケーションの大切さを強調。「なにかを伝える場合は、ゆっくり落ち着いて、相手に分かるように説明することを心掛けて欲しい」と話した。

 
「決断」できる職員に【JA全中 石堂真弘常務の話】


石堂JA全中常務 「判断」でなく「決断」できる職員であっていただきたい。これは共済連の上原元理事長の受け売りですが、私なりに理解すると、判断は状況をみて右か左か決めることであり、決断はそこに気持が加わることだと思っています。
 決断は普通、上の立場の人の役割と思いがちですが、日常の案件については、現場で働いている職員のみなさんが一番よく知っています。案外、昇進すると見えなくなることも少なくありません。そして決断して実行するのは組織です。そのためには上司や組織に、いかに納得してもらうかです。ひとりで勝手にやるのではなく、組織のみんなをいかに納得させるかが問われます。
 その際、自分で考えてやるのも大切ですが、人の真似から入るのも悪いことではありません。職場のなかで先輩の背中を見て自分が育ち、その姿をみて後輩が育つ。これがよい職場づくりの基本だと思います。
 そして大事なことは、決断を求められたとき相談できるよい先輩や同僚を持つことです。若いころ労働組合の委員長をやったことがありますが、委員長はトップであり、自分で決断しなければならないときがあります。そのとき同期の仲間や先輩に相談できる人がいて大いに助けられました。
 人のつながりを大切にしていただきたい。新人のころ高尾の研修所(現在のJA全国教育センター)で研修した全国連の職員とは、いまもつきあいがあり、よい相談相手になっています。こうした全国連段階の交流が最近少なくなっているように感じますが、今回のような全国機関の中核人材研修のような交流で仲間をつくって欲しいですね。
 かつて共済連の埼玉県本部に配属されたことがありますが、同じ組織でも全国本部と県本部の役割、特にJAとの直接のつきあいには大きな違いを感じました。県本部の時は、酒の機会も含め、組合長とも積極的に話し合いました。そのとき、真剣に話せば理解してもらえるものだと感じました。全国組織の職員にはできるだけ県本部やJAと話す機会をつくるようにしていただきたい。
 全国組織の連携に関して、よく組織が先か人が先かといわれます。どちらも大事ですが、やはり人がベースになるのではないかと思います。何ごともすべて自分でやるのではなく、自分の知らないことは知っている人に聞く。これが仕事を進めていく上で大事なことです。
 またスペシャリストかゼネラリストかといわれますが、その議論は意味がないと思います。スペシャリストといっても他のことを知らないとなれません。例えば共済の掛金計算にしても、資金運用のことを知らなければ算出できず、また、建築や自動車のことを知らないと掛金計算もできません。全国連職員はスペシャリストといわれますが、周りのことを知らないとなれません。このことを心にとめていただきたい。
 コンプライアンス(法令順守)が問題にされますが、要は、自分にとって大事な人に今の自分の仕事について、誇りを持って話せるかどうかということだと思います。最後に、みなさんはこれから人に説明する機会が増えますが、相手と時間によって説明の仕方を工夫していただきたい。時間がないからといって早口になっては伝えたいことも伝わりません。誠意をもって、ゆっくり、落ち着いて話す。それが対話の基本です。

【特集:JA全国機関中核人材育成研修会の記事】
【3】JAの価値高める新事業提案(下)協同事業会社の設立 (2019.12.02 )
【2】JAの価値高める新事業提案(上)冷凍野菜に将来性 (2019.12.02 )
【1】JAの将来担う職員養成へ(2019.12.02 )



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