国民の声無視した安保法案可決に抗議 パルシステム生協連2015年9月24日
パルシステム生協連グループは、9月21日に、安保関連法案が国会で可決成立した事を受け、
グループの生協11団体の理事長名で、強行採決に対して抗議声明を発表した。
この声明は、安保関連法案に対して、疑念、反対、説明不足といった否定的な意見が多数を占める国民の声を無視した強行採決に強く抗議するとともに、「戦争の惨禍を繰り返さないことを決意し、行動すべきである戦後70年の節目の年に、このような法案が強行採決されたことは、これからの日本の針路に重大な禍根を残すこと」になると指摘している。
声明は、パルシステム東京理事長野々山理恵子、同神奈川ゆめコープ理事長吉中由紀、同千葉理事長佐々木博子、同埼玉理事長田原けい子、同茨城理事長石川弓子、同山梨理事長白川恵子、同群馬理事長反町幸代、同福島理事長高野祐子、同静岡理事長石田敦史、同生協連理事長石田敦史、同共済生協連理事長石田敦史の連名で発表された。
◎声明の全文は以下の通り
私たちパルシステムグループは、集団的自衛権に絡む安保法制関連法案に対する疑念、反対、説明不足といった否定的な意見が多数を占めているなかで、主権者である国民の声を無視し、2015年9月19日の参議院本会議においてこれを強行可決したことに対し強く抗議します。
私たちパルシステムグループは、「心豊かなくらしと共生の社会を創ります」という理念に基づき、食や農、生命を大切にした活動をすすめている生活協同組合です。私たちは、組合員のくらしを守り、平和を礎にした社会づくりのために、戦争の悲惨さや平和の尊さを学び、戦争、紛争、貧困のない世界を目指し、様々な団体と連携しながら戦争のない社会の大切さを訴えてきました。7月21日には「平和の願い―戦後70年によせて―」を発表し、そのなかで、同法案の国会審議のすすめ方に対し、反対の意思を表明しました。
多くの憲法学者、弁護士が『違憲』と明言、国会周辺では同法案に反対する若者や学生や母親からお年寄りまで、10万人を超える市民が反対の声を挙げています。全国各地においても反対行動が連日、取り組まれています。政府がこうした声にも全く耳をかさず、反対運動がこれ以上広がらないうちに、議席の数の力のみで押し切り、専制的に違憲の法案を可決したことは、立憲主義に著しく反するものであると同時に、日本の市民社会、民主主義の否定にほかなりません。
2015年、日本は戦後70年を迎えました。先の戦争では、沖縄戦や各都市での空爆、広島・長崎への原爆投下など、痛ましい被害がもたらされました。一方、植民地支配と侵略によって、とりわけアジア諸国に多大な損害と苦痛を与え、多くの尊い命が失われました。戦争や被爆を体験した世代は年々少なくなり、戦争の悲惨さ、核兵器の恐ろしさに対する意識は風化しつつあります。あらためて平和の尊さを認識し、核をなくすとともに、戦争の惨過を繰り返さないことを決意し、行動すべきである戦後70年の節目の年に、このような法案が強行可決されたことは、これからの日本の針路に重大な禍根を残すことになります。
集団的自衛権の行使を可能にするということは、現在の専守防衛の範囲を逸脱して、先の大戦の時のような敵国を仮想して、ともに戦闘行為を行う軍事同盟に改変するという内容です。海外の戦争に積極的に参加し、武力紛争・殺りくの当事者になることに道が開かれます。恒久平和主義と非戦を誓った平和憲法を持つ国として、世界で多発する戦争を根絶する側に立つべき日本が、紛争に加担し、殺りくの当事者になることを決して容認することはできません。世界の人びとの苦境を創り出している根本原因のひとつが戦争であることをはっきりと認識すべきです。
私たちパルシステムグループは、民主主義、立憲主義を破壊する安倍政権の国会審議と強行採決に強く抗議し、集団的自衛権に絡む安全保障関連法案の撤回を強く求めます。
(関連記事)
・「パルシステム平和の願い」を表明 (15.07.22)
・「長期エネルギー需給見通し」で意見書 パルシステム生協連 (15.07.02)
・安保法制関連法案での性急な議論に反対表明 パルシステム (15.05.18)
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