米価回復、TPP阻止を 国会周辺で農民連がデモ2015年9月30日
農民運動全国連合会(農民連)は9月29日、東京で「米価回復、TPP合意阻止中央行動」を行った。延べ250人が参加。国会周辺をデモ行進し、その後衆議院議員会館で農水省国際部国際経済課と、生産局農産部農産企画課の担当官に申し入れを行い、交渉した。
デモの呼び掛けは農民連のほか、全労連、全農協労連、新日本婦人の会など。2台のトラクタを先頭に、「米価を上げろ」「TPP交渉から脱退せよ」とシュプレヒコールを挙げながら、千代田区の日比谷公園から霞が関の農水省前を行進し、国会の周辺を半周した。
デモ行進後、衆議院議員会館で集会を開き、農水省の担当官に要望書を手渡した。TPP交渉では、「情報の公開を行うとともに、農産物の譲歩提案をすべて撤回し、日本農業衰退につながるTPP交渉から撤退すること」を挙げる。
また米価では、「暴落した米価を回復させるため、米価決定の市場任せをやめ、米の需給と価格の安定に国が責任を持つ政策の確立」を求めた。
農民連の白石淳一会長は集会で、「安倍政権は、国民の声を踏みにじり、交渉の大筋合意に前のめりになっている。これを何としても止めよう」と、参加者に訴えた。また米価の下落では、「米の概算金が昨年産よりは1000円程度上がっているが、生産費が上がっており、手取りは昨年度と変わらない」として、米価回復の抜本的な対策を求めた。
1haの水田を経営する千葉県香取市から参加した石田広さん(58)は、「周りには、いまの米価では機械の更新ができず、農業やめる人が増える」と、危機感を募らせる。
このほか参加者からは生産現場の厳しい実情を訴え、農水省の対策を求める声が相次いだ。特に米価の暴落で、稲作に意欲を失い小規模農家が預けたいという農地が急増し、受け手の担い手が、やはり低米価で意欲を失っている。
現場の実情を訴える生産農家と、価格は需給で決まる、このための政策として「生産調整の達成、主食用米の需給均衡を図っている」という農水省側の説明とのすれ違いが目立った。
写真=米価回復を訴え、霞が関でデモ行進する農民や消費者
(関連記事)
・【TPP】合意は許さない緊急行動-TPP反対市民団体 (15.09.28)
・9月30日からTPP閣僚会合-USTR (15.09.28)
・【TPP差止】違憲訴訟の第1回口頭弁論 違法性を強く主張 (15.09.10)
・難航課題解決の糸口見えず-TPP交渉 (15.09.08)
・TPP違憲訴訟9月7日に口頭弁論 (15.09.02)
重要な記事
最新の記事
-
産地を応援「メイトー×ニッポンエール フルーツソルベ瀬戸内広島レモン」発売 JA全農2025年3月17日
-
カーリング女子日本代表チームを「ニッポンの食」で応援 JA全農2025年3月17日
-
選りすぐりのさせぼ温習みかんで果汁100%ジュース コクと甘み、余すところなく JAながさき西海2025年3月17日
-
雪のような白さと深い味わい 自慢のにんにく使った2品 JA十和田おいらせ2025年3月17日
-
香ばしい薫りと広がる梨の甘み 伝統の梨が職人の技でみるくまんじゅうに JAセレサ川崎2025年3月17日
-
【人事異動】JA共済連(4月1日付)2025年3月17日
-
JA共済連 全国本部組織機構を改編2025年3月17日
-
円建劣後ローンによる調達を実施 JA共済連2025年3月17日
-
親子で学ぶ通学路の交通安全 「てぃ先生」とコラボの啓発動画を公開 JA共済連2025年3月17日
-
JA帯広かわにし「十勝川西長いもとろろ」など宇宙日本食5品目がISSに搭載2025年3月17日
-
【今川直人・農協の核心】農産物需給見通しが示す農協の方向(1)2025年3月17日
-
短時間の冠水で出芽率が低下 ダイズ種子の特徴を明らかに 農研機構2025年3月17日
-
甘い味がする新規の香気成分を発見 甘さを感じる仕組みを解明 農研機構2025年3月17日
-
林業用安全装備品の購入費用助成 2025年度を募集 農林中金2025年3月17日
-
「上を向いて、笑おう。御堂筋天国~旬のたよりマルシェ~」開催 農林中金、三井不動産、御堂筋まちづくりネットワーク2025年3月17日
-
投資家向け農業事業「ノーサ」新プラン「しいたけ栽培オーナー」募集開始 クールコネクト2025年3月17日
-
大分県に初のコメリパワー「三重店」29日に新規開店2025年3月17日
-
果樹生産の大規模化と効率化へ大分県・国東市と協定「ファーマインド大分農園」開園へ2025年3月17日
-
カップめんの悩み解消 大豆ミート「マシマシの種 ミンチタイプ」新発売2025年3月17日
-
米価高騰問題を先物市場で考える【森島 賢・正義派の農政論】2025年3月17日