【TPP】重要5品目で174品目を関税撤廃 農水省2015年10月20日
TPP政府対策本部はTPP交渉の市場アクセス分野について全体像を公表した。
日本の農林水産品の関税品目(ライン数)は2328品目。このうちこれまでに関税撤廃したことがない品目は834品目で、うち重要5品目は586品目。それ以外が248品目あった。
TPP交渉の結果、関税撤廃をしたことがない品目で関税撤廃する品目は395品目。米、麦、乳製品など重要5品目で関税撤廃するのは174品目となる。重要5品目以外では221品目となる。
関税の非撤廃率は日本は19%。日本の次に非撤廃率が高いのが乳製品や鶏肉など供給管理品目といわれる重要品目のあるカナダで5.9%。森山農相は20日の会見でカナダにくらべ抜きん出て非撤廃率が高い交渉結果となったこととして「いい結果になったのではないかと思う」と述べた。
関税撤廃に応じた品目について農水省は(1)そもそも国内市場が小さく輸入金額が少ない品目、(2)輸入依存度が高く国産品との代替性がない品目、(3)関税撤廃したほうが農家にメリットなる品目を対象にしたという。
具体的には(1)はフローズンヨーグルトなど、(2)は牛タンや粉チーズ、(3)は繁殖用の豚や肥育素牛などだという。繁殖用豚などは関税がないほうが農家の導入コストは安くなる。
国内農業への影響は少ないというが、野菜のほとんども関税撤廃されるなど、これまで明らかにされてこなかった交渉結果が示され産地からは不安も出そうだ。
また、関税撤廃によって関税収入が減少することになる。関税収入は国内農業対策の財源となっている。たとえば牛肉関税は年間1000億円程度ある。小麦のマークアップ収入も800億円程度ある。農林水産物の関税撤廃でどの程度関税収入が減少するかは今後精査するという。
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