【熊本地震】作付転換と被災集出荷施設の補修など支援策実施-農水省2016年5月12日
熊本地震で被災した農林水産業者が早期に経営再建に取り組めよう農林水産省は5月9日に支援対策を決めた。
農地・農業用施設、共同利用施設、森林・漁港などの被害に対しては、▽査定前着工制度の関係地方公共団体への周知、▽農水省職員の現地への派遣による技術的支援を行いつつ、災害復旧事業などで早期復旧を支援する。共済金の早期支払いについてはすでに関係団体に要請した。
災害関連資金の特例措置も講じる。
被災農林漁業者の運転資金調達を支援するため▽農林漁業セーフティネット資金の貸付限度額を「600万円又は年間経営費の12分の3」から「1200万円又は年間経営費の12分の12」に引き上げ、▽同資金等の災害関連資金の貸付利子を貸付当初5年間無利子化、▽同資金や漁業近代化資金等の災害関連資金を無担保・無保証人での貸付け、を行う。
また、被災した農林漁業施設等を復旧するための施設資金を調達するため▽スーパーL資金、農林漁業施設資金、近代化資金等の災害関連資金の貸付利子を貸付当初5年間無利子化、▽スーパーL資金、農林漁業施設資金、漁業近代化資金等の災害関連資金を無担保・無保証人で貸付、などを行う。
畜舎や農業用ハウスなどの再建・修繕支援として、被災者農業者向け経営体育成支援事業を発動し、再建・修繕にかかる経費を助成する。
◆輸送経費を助成
営農再開に向けては、米が作付けできず大豆などに作付転換した場合は水田活用の直接支払い交付金の対象となることや、種子も食用大豆から種子に転用して確保することを生産者に周知していく。大豆の作付けによって水田活用の直接支払交付金(10a3.5万円)と畑作物の直接支払交付金(10a2万円の面積払い+数量払い)の対象となる。
熊本県内の27年度の稲作作付け実績は主食用米3万4000ha、飼料用・加工用米1万haの計4万4000haとなっている。現地では水田営農の再開に向け九州農政局、熊本県、JA熊本中央会による水田営農再開連絡会議を設置し、被害状況の把握や作付転換の意向確認などを進めている。
また、被災した集出荷施設等の簡易な補修、手作業による選果、他の集出荷施設等への農産物の輸送にかかる経費を助成する。被害果樹・茶の植え替えや、これによって生じる未収益期間に要する経費を助成する。
畜産農家の資金繰り支援のため生産者積み立て金の納付免除などを行う。牛マルキンは4~9月分、豚マルキンは1~6月分が対象。鶏卵生産者の生産者負担金の減額等も実施する。
(熊本地震の関連記事)
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