農林水産物輸出4.5%増 29年上半期2017年8月21日
農林水産省は8月10日、平成29年上半期(1-6月)の農林水産物・食品の輸出実績を発表した。輸出額は3786億円で前年同期比4.5%増となった。
内訳は▽農産物=2284億円(対前年同比期+2.0%)、▽林産物=173億円(同+33.9%)、▽水産物=1328億円(同+6.0%)となった。輸出先は1位=香港、2位=米国、3位=中国となっている。
農林水産物の輸出は平成25年から4年連続で増加し28年は7502億円だった。伸び率は26年=前年比+11.1%、27年=同+21.8%だったが、28年は同+0.7%と伸び率は鈍化した。水産物のホタテの不漁で輸出量が落ち込んだなどが要因となった。
29年上半期は農産物で牛肉が金額ベースで前年比57%増、豚肉42.0%増、いちご56.0%増、緑茶27.1%増などと伸びた。農林水産省によると牛肉や緑茶は海外での日本食プロモーションに合わせて輸出が伸びたという。また、いちごは香港、台湾でのニーズの高まりに対応して輸出したことが実績につながった。
一方、りんごは金額で前年比▲34.5%、数量で▲32.5%と減少した。28年産のりんごは全体として生産量が減少したが、なかでも香港、台湾でニーズが定着している大玉の生産が減少したことが輸出減につながった。ニーズに応じた輸出を継続するためにも、国内生産の基盤強化がいっそう求められるといえる。
政府は平成32年の輸出額1兆円目標について28年8月に閣議決定した「未来への投資を実現する経済対策」で目標実現を1年前倒しすることにした。
齋藤農相はこの目標について「目標というのは容易に達成できる目標では意味がない。努力してぎりぎりできるかどうかが意味のある目標。引き続き精力的に実現に向けて努力していきたい」と述べた。
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