加工原料乳生産者補給金10銭引き上げ-30年度2017年12月15日
政府・自民党は12月14日、平成30年度の畜産物価格と関連対策を決めた。新たな加工原料乳生産者補給金は29年度より10銭引き上げる。また、素牛価格の高騰で経営が厳しい肉用牛経営支援のため牛マルキンの補てん割合を従来の8割から30年度(30年4月~)に限って9割に引き上げることも決めた。
脱脂粉乳やバター向けの生乳に対する交付金である加工原料乳生産者補給金は、30年度からは交付対象を現行の指定団体(指定生乳生産者団体)以外も対象とし、▽加工原料乳生産者補給金と、▽集送乳調整金に分けて交付する。改正畜産経営安定法に基づく新たな仕組み。
29年度は1kg10円56銭だった。30年度は補給金を同8円23銭、集送乳調整金は2円43銭とした。合わせて10円66銭で10銭の引き上げで決着した。
総交付対象数量は10万t減の340万tとした。29年度は350万tだが実績見込みは315万tとなっている。
所要額は363億円でこのほかに日欧EPA発効でソフト系チーズも輸入枠設定・関税引き下げとなることなどからチーズ対策予算も措置する。
豚肉の安定価格は29年度と変わらず安定上位価格は595円/kg、安定基準価格は440円/kg。牛肉は安定上位価格1255円/kg(+40円)、安定基準価格は925円/kg(+25円)とした。
(上の表をクリックするとPDFファイルが開きます)
肉用子牛の保証基準価格と合理化目標価格は引き上げられた。そのほか肉用牛繁殖経営支援事業、鶏卵生産者経営安定対策事業の基準価格も決めた。(掲載資料参照)
肉用牛の売上げが生産費を下回った場合、生産者拠出金と国が補てんする牛マルキンは差額の8割を補てんする制度だが、子牛価格の高騰が肥育経営に打撃を与えていることから30年4月から1年間は9割補てんに引き上げることも決めた。
関連対策では「酪農家の働き方改革」の短期・集中的な取り組みの推進に向け省力化機械装置の導入と施設整備などに新規事業として50億円を措置する。酪農ヘルパーの認知度向上への取り組み支援も追加する。
(関連記事)
・貿易交渉と北海道酪農の影響(17.12.07)
・【衆議院選挙】米の需給調整 全国組織推進支援-自民党農業公約(17.10.10)
・万全な需給安定策が必須 生乳流通改革(17.07.19)
・日欧FTAを「TPPプラス」にした愚行 東京大学・鈴木宣弘教授(17.07.11)
・生乳改革 補給金を恒久的制度へ(17.02.17)
・持続可能な畜産・酪農経営の実現を-JA全中の政策提案(16.11.15)
重要な記事
最新の記事
-
【人事異動】JA全農(2025年1月1日付)2024年11月21日
-
【地域を診る】調査なくして政策なし 統計数字の落とし穴 京都橘大学教授 岡田知弘氏2024年11月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】国家戦略の欠如2024年11月21日
-
加藤一二三さんの詰め将棋連載がギネス世界記録に認定 『家の光』に65年62日掲載2024年11月21日
-
地域の活性化で「酪農危機」突破を 全農酪農経営体験発表会2024年11月21日
-
全農いわて 24年産米仮渡金(JA概算金)、追加支払い2000円 「販売環境好転、生産者に還元」2024年11月21日
-
鳥インフル ポーランドからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
鳥インフル カナダからの生きた家きん、家きん肉等の輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
JAあつぎとJAいちかわが連携協定 都市近郊農協同士 特産物販売や人的交流でタッグ2024年11月21日
-
どぶろくから酒、ビールへ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第317回2024年11月21日
-
JA三井ストラテジックパートナーズが営業開始 パートナー戦略を加速 JA三井リース2024年11月21日
-
【役員人事】協友アグリ(1月29日付)2024年11月21日
-
畜産から生まれる電気 発電所からリアルタイム配信 パルシステム東京2024年11月21日
-
積寒地でもスニーカーの歩きやすさ 防寒ブーツ「モントレ MB-799」発売 アキレス2024年11月21日
-
滋賀県「女性農業者学びのミニ講座」刈払機の使い方とメンテナンスを伝授 農機具王2024年11月21日
-
オーガニック日本茶を増やす「Ochanowa」有機JAS認証を取得 マイファーム2024年11月21日
-
11月29日「いい肉を当てよう 近江牛ガチャ」初開催 ここ滋賀2024年11月21日
-
「紅まどんな」解禁 愛媛県産かんきつ3品種「紅コレクション」各地でコラボ開始2024年11月21日
-
ベトナム南部における販売協力 トーモク2024年11月21日
-
有機EL発光材料の量産体制構築へ Kyuluxと資本業務提携契約を締結 日本曹達2024年11月21日