農水省からも「首相案件」明記の愛媛県文書確認2018年4月16日
齋藤農相は4月13日、愛媛県庁が作成し、農林水産省にも配布されたと報道された「獣医師養成系大学の設置に係る内閣府藤原次長・柳瀬首相秘書官との面談結果について」との文書を同省職員が保有していたと発表した。
農水省は平成27年4月以降に獣医師法等を担当する部局に在籍していた、または現在も在籍している職員(局長級から係長・係員級など)36人を対象に愛媛県文書を受け取ったか、保有しているかどうかなどを消費・安全局総務課および大臣官房秘書課がヒアリングを行った。
その結果、職員(課長補佐級)1名が「面談結果について」と題された文書を保有していた。この職員は平成27年5月に獣医師法の担当になったときに、文書を前任職員から紙ベースで受け取った。公表された資料の左側にはパンチした跡があることからファイルに綴じられていたことが示されている。
(写真)写真をクリックすると文書のPDFファイルが見られます。
すでに報道され愛媛県知事も県職員の備忘録とされた文書と同様に柳瀬首相秘書官の「本件は首相案件」と発言があったと明記されている。齋藤農相によれば、今回のヒアリングで職員が「言われてみればあったね、ということでファイルのなかからこの文書を見つけてきた」と説明し、「それほど深い認識があったとは思っていない」と話した。
この文書は獣医師養成系大学の設置に関するもので、農水省は所掌事務とは関係ないと考え、行政文書の管理は行わず保有し、このため当該職員は担当から異動した際には、後任者には渡さず個人用のファイルに綴っていたという。
また、当該職員の前任者はこの文書を見た記憶も後任者に渡した記憶もないとしており、異動の際に渡した資料のなかに含まれていたかもしれないと回答したという。
この文書は愛媛県知事が認めた報道された文書と同様に、平成27年4月2日に県と今治市、加計学園事務局らと内閣府藤原次長、柳瀬首相秘書官らと面談した結果が記されている。藤原地方創生推進室次長の発言として「要請の内容は総理官邸から聞いており」との記述や柳瀬首相秘書官の「本件は首相案件となっており、内閣府藤原次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい」などの記述もある。
ただ、作成された日付が報道された文書では4月13日になっていたが、農水省で確認された文書は3日となっている。
また、最後の文章も異なっているが、齋藤農相は「いずれにしてもこれは見ていただくと分かるとおり、県の内部で、上に説明するような体裁の紙。どこが作ったかは地域政策課と書いてあって、これ、県庁の課ですよね。それを持ってこられたということだと思います」と述べ、「文書が省内にあったということは事実」とし、書かれている内容についての違いなど「真偽っていうのはわれわれは分かりません。作成した愛媛県あるいは知事に聞いていただきたい」と述べた。
ただ、この日、組織として共有して公表した文書であることから今回の調査結果とともに、今後は行政文書に該当するのではないかとの考えを示した。
(関連記事)
・平成29年度獣医師試験合格率88.3% 農水省(18.03.10)
・「獣医師の社会的役割と、その教育の今」で公開シンポ(17.10.23)
・【JA全農畜産生産部-JA全農の若い力】受精卵移植技術を着実に実践(17.09.29)
・JA全農が酪農体験発表会(17.09.27)
・加計問題追及の目的は一強政治の打破(17.07.31)
・加計問題の核心は安倍首相の公私混同(17.07.10)
重要な記事
最新の記事
-
【人事異動】JA全農(2025年1月1日付)2024年11月21日
-
【地域を診る】調査なくして政策なし 統計数字の落とし穴 京都橘大学教授 岡田知弘氏2024年11月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】国家戦略の欠如2024年11月21日
-
加藤一二三さんの詰め将棋連載がギネス世界記録に認定 『家の光』に65年62日掲載2024年11月21日
-
地域の活性化で「酪農危機」突破を 全農酪農経営体験発表会2024年11月21日
-
全農いわて 24年産米仮渡金(JA概算金)、追加支払い2000円 「販売環境好転、生産者に還元」2024年11月21日
-
鳥インフル ポーランドからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
鳥インフル カナダからの生きた家きん、家きん肉等の輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
JAあつぎとJAいちかわが連携協定 都市近郊農協同士 特産物販売や人的交流でタッグ2024年11月21日
-
どぶろくから酒、ビールへ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第317回2024年11月21日
-
JA三井ストラテジックパートナーズが営業開始 パートナー戦略を加速 JA三井リース2024年11月21日
-
【役員人事】協友アグリ(1月29日付)2024年11月21日
-
畜産から生まれる電気 発電所からリアルタイム配信 パルシステム東京2024年11月21日
-
積寒地でもスニーカーの歩きやすさ 防寒ブーツ「モントレ MB-799」発売 アキレス2024年11月21日
-
滋賀県「女性農業者学びのミニ講座」刈払機の使い方とメンテナンスを伝授 農機具王2024年11月21日
-
オーガニック日本茶を増やす「Ochanowa」有機JAS認証を取得 マイファーム2024年11月21日
-
11月29日「いい肉を当てよう 近江牛ガチャ」初開催 ここ滋賀2024年11月21日
-
「紅まどんな」解禁 愛媛県産かんきつ3品種「紅コレクション」各地でコラボ開始2024年11月21日
-
ベトナム南部における販売協力 トーモク2024年11月21日
-
有機EL発光材料の量産体制構築へ Kyuluxと資本業務提携契約を締結 日本曹達2024年11月21日