畑作物の直接支払交付金231億円増-29年度支払実績2018年7月4日
農林水産省は6月29日に平成29年度の経営所得安定対策の支払実績を公表した。飼料用米など新規需要米は3000ha増の13万9000haとなった。
畑作物の直接支払交付金は、諸外国と生産条件に格差がある麦、大豆、てん菜などの農産物に対して「標準的な生産費」と「標準的な販売価格」の差額分に対する交付金。29年度の支払額は1985億円で28年度にくらべて231億円増加した。
支払対象者数は4万4000件で28年度にくらべて1000件減少したが、法人は400件増えた。支払数量は作柄が良好だったため対象品目すべてで増加した。
作物別には麦=97万9000t(小麦=87万1000t、二条大麦=5万1000t、六条大麦=4万4000t、はだか麦=1万2000t)、大豆=22万3000t、てん菜=377万6000t、でん粉原料用ばれいしょ=71万8000t、そば=2万9000t、なたね=3000tとなった。
水田で麦、大豆、飼料用米など戦略作物を生産する生産者に交付金を支払し水田フル活用を推進する水田活用の直接支払交付金の支払実績は、3141億円。28年度(3168億円)と同水準だった。
支払対象者は42万5000件で28年度にくらべて約3万2000件減少したが、法人は400件増えた。
支払面積は戦略作物全体で44万7000haと28年度と概ね同水準(44万3000ha)となった。
作物別では麦は北海道で減少したことなどで1000ha減の9万8000ha。大豆は昨年とほぼ横ばいの8万9000ha、飼料用作物も同様で7万2000haだった。
新規需要米(WCS用稲、米粉用米、飼料用米)は3000ha増えて13万9000haとなった。WCS用稲は4万2340ha、米粉用米は5271ha、飼料用米は9万1009tとなっている。 加工用米は北海道で拡大したことから増加し、900ha増の4万9000haとなった。
米粉用米の数量払い分は面積が1800ha増の5300ha、数量は9400t増の2万8000tとなった。単収は10aあたり538kgとなった。飼料用米は面積は300ha増の8万9000ha、数量は6000t減の49万tとなった。単収は10aあたり549kgとなった。
29年度で交付が終了する米の直接支払交付金の支払実績は28年度と同水準の705億円となった。支払対象者は73万6000件で4万2000件減少したが、法人は700件増加した。支払面積は94万1000件、10a控除前面積で101万8000haだった。28年度とほぼ同水準(102万6000ha)となった。
(関連記事)
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