画期的な殺菌剤「パレード」上市 日本農薬2018年4月24日
・菌核病・灰色かび病・うどんこ病などに高い効果
日本農薬は4月23日、都内で同社が新規開発したピラジフルミドを含有する殺菌剤「パレード20フロアブル」(園芸用)と「パレード15フロアブル」(果樹用)の詳細を明らかにする記者会見を行った。
記者会見で友井洋介代表取締役社長は「当社は毎年、売上高の10%強を研究開発の投資にあてており、3年に1度のペースで新商品を開発し、市場に送り出してきた。その意味で、新商品のパレードは順調に開発を進めてきた結果であり、当社の技術と情熱をつぎ込んだ最新鋭のSDHI(コハク酸脱水素酵素阻害剤)殺菌剤として、その効能も含めて自信をもって市場に投入する」とあいさつし、新剤が国内のみならず世界の農業生産拡大に貢献していくことに期待を寄せた。
パレード開発の中心を担った富田啓文研究本部長は新剤の特長として、野菜用の「パレード20フロアブル」はキャベツ菌核病、インゲンマメ灰色かび病に対する防除効果が、予防効果、持続性、治療性、耐雨性ともに、既存剤と比べて優れていること。また、キャベツ菌核病、イチゴ灰色かび病、キュウリうどんこ病、トマト葉かび病に対する防除効果も既存剤よりも優れていると数値を示して説明した。果樹用の「パレード15フロアブル」も、リンゴの黒星病、斑点落葉病、褐斑病、輪紋病への防除効果が既存剤よりも優れていることを強調した。
販売戦略について矢野博久国内営業本部長は、SDHI剤の市場規模が現在の40億円から将来は100億円に拡大するとし、その中でパレード両剤で120tの普及販売をめざしていくとした。
また、東野純明市場開発本部長が国内と海外の市場開発戦略について説明。園芸分野で「パレード20フロアブル」をセルトレイ潅注処理剤として開発中であること明かし、既存剤にない新規市場の獲得をめざすとした。
また海外ではピラジフルミド剤を韓国ですでに登録申請を済ませたこと、米国では2022年に登録取得が見込めること、欧州やブラジル、アジアでの開発も検討中であると述べ、国内と海外を合わせて将来は150億円以上の売り上げをめざしていくと語った。
なお、販売時期については、「パレード15フロアブル」は4月19日から販売されているが、「パレード20フロアブル」は5月22日を予定している。
(関連記事)
・【人事異動】日本農薬(5月1日付)(18.04.18)
・新規殺菌剤「パレード」の農薬登録取得 日本農薬(18.04.06)
・新規殺センチュウ剤「ネマクリーン粒剤」を販売 日本農薬(18.01.30)
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