共同ドローンビジネス開発で独占契約-バイエルクロップサイエンス2018年11月19日
バイエルクロップサイエンスとXAG、XAIRCRAFTJAPANの3社は11月19日、日本市場でドローンを活用した共同事業開発の独占契約を締結した。今後3社は日本市場や生産者の要望に応じて、農業経営の効率化、安定化につながるドローン活用の技術開発と販売に取り組む。
(写真)左からバイエルクロップサイエンスのハーラルト・プリンツ代表取締役社長、XAGのジャスティン・ゴン副社長、XAIRCRAFT JAPANの住田靖浩代表取締役社長
XAGは2007年に中国・広州に設立され、ドローンなど産業用無人機開発のリーディングカンパニーで1400人の従業員のうち800人以上が無人機の開発に関わっている。
XAIRCRAFT JAPANはXAGの日本支社として2016年に設立。日本での農業の自動化、スマート農業の推進などの事業を展開し、農薬散布用無人機、リモートセンシング、スマート測量無人機などを商品化している。
一方、バイエルクロップサイエンスは、これまでに培ってきた化学農薬や生物農薬の普及に加えて、種子や遺伝形質の生産現場への提供とデジタルデータの活用などを組み合わせた新しいビジネスモデルをつくり、それによって生産現場や農家それぞれの課題に対して、「いかに効率的な農業生産のための技術を提供できるか」を方針としている。すなわち、従来の原体・製剤開発にとどまらず、新しい散布技術、栽培技術の開発から病害虫・雑草診断や気象モニタリング、生育診断などのデジタル技術までを一貫するビジネスモデルを構築する。
今回の共同事業開発契約はその一貫で、3社それぞれの強みを生かし▽共同ドローンビジネスプロジェクト、▽ドローン農薬散布技術の共同開発、▽デジタル農業の共同開発およびデータの相互補完の3つのプロジェクトに取り組む。とくにドローンによるセンシング技術、農薬、種子、肥料の散布省力化などが期待されている。
記者会見でバイエルクロップサイエンスのハーラルト・プリンツ代表取締役社長は、XAGと数ヶ月前から話しを進め、互いにイノベーションに力を入れているだけでなく、農業の発展と企業の社会的責任などについて認識を共有したことが提携の理由であると話し、バイエルクロップサイエンスの方向として「農薬を売るだけでなく、農業生産にベストの効果が出るようさまざまなソリューションを提供していくことが主眼」と話し、ドローンによる正確な農薬散布など、デジタル技術による精密農業の実現による日本農業への貢献を強調、「両社にとって日本市場におけるスターティングポイントとなる日」と話した。
XAGのジャスティン・ゴン共同創業者兼副社長は「農薬を売るだけではなく、農家の得る利益を(総合的に)上げようという点で同じ考えを持つ」とし「よりよい農業生産に貢献できるのは大変うれしい」と話した。
バイエルクロップサイエンスの仁木理人執行役員カスタマーマーケティング本部長は日本における農業のデジタルコンテンツ市場は「10年後に300億円」と見込む。同社はその10%、30億円シェアの獲得をめざす。そのうちドローンは15億円程度を目標とし農業用ドローン市場の30%を占めたい考えだ。2019年度から事業開発に取り組む。
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