新規殺菌剤「ミギワ20フロアブル」青森県から「令和4年度青森りんご勲章」 日本曹達2023年2月28日
日本曹達は、青森県のりんご産業の発展に貢献した個人・団体に贈られる「青森りんご勲章」を授賞。青森県で多発したりんごの黒星病に効果が高い殺菌剤「ミギワ20フロアブル」を生産者団体などからの要請を受けて早期に開発し、実用化と供給体制の確立にむすび付けた取り組みが評価された。
りんごの黒星病の幼果における病斑・葉における病斑
「ミギワ20フロアブル」は、通常では農薬の登録申請から登録認可まで約3年かかるところ、1年3か月で登録が認可され、りんごの黒星病の主要防除薬剤として使用されている。また、2022年12月から全国販売を始め、りんごだけでなく、なしやぶどうなど各種果樹の病害防除に活用できるよう、普及を進めている。
有効成分キノプロール(一般名:イプフルフェノキン)は、国内で広く使われているDMI剤やストロビルリン系剤に耐性のあるリンゴ黒星病菌に卓越した効果を示す。ストロビルリン系剤に耐性のあるブドウ晩腐病菌にも有効で、農業生産現場における耐性菌の問題を解決する新剤として期待されている。また、豆類や野菜などの灰色かび病や菌核病などの病害にも有効であることから、これらの作物・病害を対象とする「ミギワ10フロアブル」を開発中。2023年内の販売開始に向けて鋭意準備を進めている。
さらに、韓国では日本と同じ20%フロアブル剤の登録を取得し2023年の販売を目指しているほか、米国、欧州やブラジルでも開発を進めている。特に米国では原体登録を取得し、Reduced Risk(リスク低減の可能性のある製品)に認定。薬剤の安全性と必要性が認められており、早期の販売開始に向けて準備を進めている。
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