農薬:年頭あいさつ2018
谷 和功 氏(三井化学アグロ株式会社 代表取締役社長)2018年1月2日
高機能農薬の創製こそ事業の核
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
早いもので「平成」も30年目を迎えました。新しい年が皆さまにとって良き1年となりますよう、祈念しております。
さて昨年、三井化学アグロは主力原体がそれぞれ発売開始よりエトフェンプロックス30年、ジノテフラン15年、フルスルファミド25年を迎える節目の年となりました。これまで長く農業生産者の皆さまにご愛顧いただき、改めて感謝申し上げます。
一方、農薬取締行政の改革で再評価制度の導入が決定され、これらの原体についても再評価を受けることとなります。当社はこの問題を重要な課題と位置付け、農家の皆さま、さらには消費者の皆さまにご迷惑をお掛けしないよう、再評価を乗り越えて製品の提供を継続していきたいと考えております。
また、三井化学グループでは2025年の長期目標を設定しました。その中で三井化学アグロが担う農業化学品事業も、今後成長すべき事業分野の中のコア事業として、拡大を加速します。開発に注力している新規5原体はいずれも新規の作用機構を持つ点が特長です。
すでに2016年に上市した殺菌剤トルプロカルブは、イネいもち病の耐性菌にも有効で、日本国内での普及に取り組んでいます。続いて水稲用除草剤のシクロピリモレート、殺虫剤ブロフラニリドの日本国内および海外での上市を予定しています。
特にブロフラニリドは、世界農薬工業連盟のIRAC(殺虫剤抵抗性管理委員会)でまったく新しいグループ30の分類となり、抵抗性を持つ害虫にも有効で、農業用途だけでなく、ベクターコントロールなどの分野でも期待できます。
三井化学グループでは、事業活動を通じて目指す未来社会の姿として、健康・安心な長寿社会の実現、地域と調和した産業基盤の実現、環境と調和した共生社会の実現の3つを掲げています。
農業化学品事業を担う当社においては、安全・安心な食料生産、世界人口の増加に対応する食料増産、さらには地球環境の保護に事業活動を通じて寄与し「SDGs」(国連が掲げる持続可能な開発目標)の実現に貢献していきたいと考えております。 三井化学アグロは、これからも、安全・安心で高品質な農作物を、安定的かつ効率的に生産するため、農業生産者の皆さまから求められる高機能な農薬を創製し続けてまいります。
末筆となりますが、農業生産者の皆さまならびに関連各界の皆さまの益々のご発展とご健勝を祈念しますとともに、本年もご厚情を賜りますようお願い申し上げます。
農薬工業会副会長
(関連記事)
・高機能な新規剤提供で世界の農業に貢献【谷 和功・三井化学アグロ(株)代表取締役社長】(17.12.28)
・ハイブリッド米で反収14俵(17.11.27)
・新会長に西本麗氏を選任 農薬工業会通常総会(17.05.19)
・水稲用中期除草ジャンボ剤2剤を発売 三井化学アグロ(17.04.25)
・【時の人 話題の組織】谷 和功(三井化学アグロ株式会社代表取締役社長)絶えず革新による成長を追求
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(130)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年2月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(47)【防除学習帖】第286回2025年2月22日
-
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
-
全76レシピ『JA全農さんと考えた 地味弁』宝島社から25日発売2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年2月21日
-
農林中金 新理事長に北林氏 4月1日新体制2025年2月21日
-
大分いちご果実品評会・即売会開催 大分県いちご販売強化対策協議会2025年2月21日
-
大分県内の大型量販店で「甘太くんロードショー」開催 JAおおいた2025年2月21日
-
JAいわて平泉産「いちごフェア」を開催 みのるダイニング2025年2月21日
-
JA新いわて産「寒じめほうれんそう」予約受付中 JAタウン「いわて純情セレクト」2025年2月21日
-
「あきたフレッシュ大使」募集中! あきた園芸戦略対策協議会2025年2月21日
-
「eat AKITA プロジェクト」キックオフイベントを開催 JA全農あきた2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付、6月26日付)2025年2月21日
-
農業の構造改革に貢献できる組織に 江藤農相が農中に期待2025年2月21日
-
米の過去最高値 目詰まりの証左 米自体は間違いなくある 江藤農相2025年2月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】有明海漁業の危機~既存漁家の排除ありき2025年2月21日
-
村・町に続く中小都市そして大都市の過疎(?)化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第329回2025年2月21日
-
(423)訪日外国人の行動とコメ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月21日
-
【次期酪肉近論議】畜産部会、飼料自給へ 課題噴出戸数減で経営安定対策も不十分2025年2月21日
-
「消えた米21万トン」どこに フリマへの出品も物議 備蓄米放出で米価は2025年2月21日