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遺伝子組換え作物栽培面積は1億8510万haに 国際アグリバイオ事業団2018年6月27日

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 国際アグリバイオ事業団(ISAAA)とPGエコノミクス社は、6月26日に2017年の遺伝子組換え(GM)作物の商業栽培に関する年次報告書とGM作物栽培による環境や経済メリットに関する報告書をそれぞれ発表した。

 ISAAAの報告書によれば2017 年のGM作物の栽培面積は、16年の1億8510万haに比べ470万ha・約3%増加し1億8980万haとなった。また、17年に67カ国がGM作物を使用しているが、これはGM作物を栽培する発展途上国19カ国と先進国5カ国の計24カ国に加え、日本のように食用、飼料用、加工用としてGM作物の輸入や使用を規制している43の非栽培国が含まれている。
 GMダイズ品種は、世界のGM作物総栽培面積の50%を占めた。個々の作物の世界総栽培面積を見ると、17年は、ダイズ77%、ワタ80%、トウモロコシ32%、ナタネ30%がGM品種を栽培している。
 ダイズでGM品種の割合が90%を超える国は、米国、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、南アフリカ、ボリビア、ウルグアイ。
 GMトウモロコシの割合が90%前後を占める国は、米国、ブラジル、アルゼンチン、カナダ、南アフリカ、ウルグアイ。
 GMワタの割合が90%前後を占める国は、米国、アルゼンチン、インド、パラグアイ、パキスタン、中国、メキシコ、南アフリカ、オーストラリア。
 GMナタネの割合が90%以上の国は米国とカナダだった。そして、これらの国々は、発展途上国を始めとする世界のその他の国が必要とする食品の輸出国と同じ国々だ。
 ISAAAは「世界の食糧安全保障は、食料および飼料の生産余剰国と不足国との連携にかかっている。GMダイズとトウモロコシは特に、発展途上国が動物や魚のタンパク質を生産する飼料の要求を満たしてきた」ことを強調している。
 環境や経済メリットについてのPGエコノミクス社の2016年についての報告書では、
▽16年のGM作物については、燃料使用量の削減と土壌炭素貯留の増加により、1675万台の車を路上から排除することに等しい二酸化炭素排出量が削減された。
▽GM作物の進歩により、農業者は殺虫剤や除草剤をより戦略的に利用し、その使用に伴うGM作物栽培地域への環境影響を1996年から18.4%減らすことができる。
▽GM作物による直接の農業所得は世界全体で182億ドルとなり、平均で1ha当たり102ドルの所得増加に相当する。1996年以降、農業所得は1861億ドル増加した。
▽GM技術は農業者にとって依然として強力な投資対象で、GM作物種子に1ドル投資すると平均で3.49ドルを得たことになる。発展途上国の農業従事者はGM作物に投資した1ドルにつき5.06ドル受け取ったことになるが、先進国の農業者は2.70ドルであったとしている。
▽またこの21年間でGM作物技術により生産量が、ダイズは2億1300万トン、トウモロコシは4億500万トン、ワタは2750万トン、そしてナタネは1160万トン増加した。農業者は農耕地を増やすことなく栽培量を増やすことができ、生物多様性の高い土地を農業生産に転用する圧力を減らすことができる、としている。
 なお、日本のバイテク情報普及会は、8月23日にISAAAのDr. Rhodora R. Aldemita氏を招き、GM作物の最新状況に関するセミナーを都内で開催する予定だ。

 

(関連記事)
TPP11と成長ホルモン問題(17.09.21)
世界のGM作物栽培面積は1億8510万haに バイテク情報普及会(17.06.01)
遺伝子組換え作物栽培面積20年で100倍に ―バイテク作物商業栽培20周年記念セミナー(下)(16.09.22)

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