長ナスの新品種「PC筑陽」を新発売 タキイ種苗2017年12月3日
タキイ種苗(株)は、2017年度の新品種として、着果促進処理が不要な、単為結果性トゲなし長ナス「PC筑陽」の種子を発売する。
ハウス内での越冬栽培が中心となるナス促成栽培では、ホルモン剤(着果促進剤)処理が広く施用されているが、この作業は全労働時間の約25%を要する重労働といわれている。
生産者の高齢化が進むなかで、作付面積の拡大を目指す産地にとって、そうした農作業の省力化は、重要な課題のひとつだ。
このたび新発売された「PC筑陽」は、既存品種の『筑陽』と同じ長ナスタイプだが、ホルモン剤処理やハチ交配が不要な単為結果性を付与した新品種だ。果色の濃い太長形の果実が、着果処理なしで収穫できるほか、葉柄部や果実のヘタにトゲが発生せず、作業性が高いこともおおきな特長だ。
(写真)ナス「PC筑陽」
◎品種特性
○強い単為結果性:受粉・受精しなくても、果実ができることを単為結果という。「PC筑陽」の開花時の花には、通常品種よりも高い濃度のオーキシンが含まれており、これが単為結果を引き起こす一因であると推定される。これにより、高温時や厳寒期の着果力が低くなりやすい時期であっても、安定的に高い単為結果性を発揮する。
○高い秀品性:果形は、従来品によく見られる果実の曲がりが少なく、時期を問わず高い秀品率を維持する。果実の腹太りがよく、ボリューム感が出るのも特長だ。
○トゲの発生が無い:収穫や選果の際、トゲが無いことで傷果が減り、商品価値の高いナスが出荷できる。漬物加工業者にとっても、加工過程での傷の発生も減少するというメリットがある。
○やわらかな肉質で食味がよい:肉質がやわらかく、料理の適応幅が広いという特長がある。炒め物にすると、独特のとろみが出て、食味のよさが引き立つ。タネが入らず果皮の歯切れもよいことから、漬物加工にも適している。
『PC筑陽』種子の価格は、1000粒で2万1600円(税込希望小売価格)。全国の種苗販売店で販売される。
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