同社の上半期の売上高は46億2700万円、営業利益は1億2100万円、経常利益は1億200万円だった。円高や海外での殺菌剤ジェネリック品の影響などにより、前年同期に比べて減収減益となった。同社の通期決算は2年連続で経常利益が前年を下回っているが、12年は海外市場の拡大などを図り3年ぶりの前期比増をねらっている。
その海外展開の核となるのが、水稲用除草剤「ベンゾビシクロン」だ。
水稲用除草剤は、国内では競合剤が多く市場も飽和傾向であるため、「ベンゾビシクロン」の使用面積はここ5年ほど40〜50万haで横ばい傾向だが、韓国では06年の発売以降急激に増加し、わずか5年で30万haにまで達した。
水稲は各地域ごとに栽培様式が異なるため、欧米ではゴーワン社(米国)と提携し現地にあった薬剤の共同開発をすすめるなど、地域ニーズに合った商品開発を進めていくとしている。また、水稲作付面積が700万ha以上あるといわれる中国については、現在、その大規模な市場の獲得をめざし、登録に向けて独自に試験を行っているという。
同社のもう一つの基幹剤である殺菌剤「ダコニール」も、アジア地域での販売が伸びており、特に過去5年間でフィリピン向けの出荷が大幅に増えた。今後もインドネシア、インド、スリランカなど東南・南アジア地域での販売を拡大していく計画だ。
そのほか新規剤の開発として、家庭園芸向けの非選択性除草剤「オレンジパワー」の年内上市をめざすほか、2014年には日本初となる植物由来の除草剤の上市も予定している。
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