「夢の舞」は、中山間地での稲作で大きな問題となる冷害・いもち病に強い、早生の良食味品種だ。玄米収量が高いため、業務用としての利用も期待できる。平成22年から島根県奥出雲地方の生産法人と農研機構が共同研究を行い、24年に品種登録を出願した。
「夢の舞」の特性を良食味の耐冷性品種である「ひとめぼれ」と比べると、いもち病抵抗性は「ひとめぼれ」よりも強く、耐冷性は同程度で極めて強い。稈長が「ひとめぼれ」より6cmほど短く耐倒伏性に優れているため、多肥栽培が可能であり、多肥栽培での収量は「ひとめぼれ」より1割多い。穀物検定協会による食味評価では「コシヒカリ」に近い良食味の評価を得た。
農研機構では、「(夢の舞は)中山間地の稲作振興に役立つ品種」だと期待している。今後は島根県の山間部の生産法人で数十haの作付が計画されている。
(関連記事)
・【人づくり・組織づくり・地域づくり】 販売ルートの開拓が新たな可能性を開く JA愛媛たいき(愛媛県) (2012.10.03)
・農林水産予算、2兆3700億円を要求 前年度比7.7%増 (2012.09.13)
・10年後の地域農業と暮らしをどう描くか? 地域営農ビジョン実践交流研究会より (2012.08.16)
・飼料用・加工用米「モミロマン」など 13作物15品種を認定 農水省 (2012.04.10)