「北瑞穂」は北陸以南向けの高アミロースインディカ品種に、耐冷性の強い品種を交配させて育成した。
北海道で主力となっている主食用品種「きらら397」や「ななつぼし」がアミロース含有率20%以下であるのに対し、「北瑞穂」は約30%と高い。通常の炊飯米にした場合はパサパサして粘りが少なく食味は劣るが、その分、米粉への加工適正が高く、特に麺類、パスタ、クッキーへの加工で高い評価を得ている。
麺類やパスタに加工したところ、つなぎ用のα化米粉を使わなくても麺帯のつながりがよいなど作業性が高く、食味も良かった。
クッキーにした場合では、サクサクした食感と米独特の香ばしさや甘さが特徴的なクッキーができるという。
また、こうした米粉加工だけでなく、ピラフやリゾットなどの加工適正もあるとして、現在、業者を交えて研究をすすめている。
「北瑞穂」は「きらら397」に比べて収量が10%以上多いのも大きな特徴だ。穂ひとつにできる籾数が多いため、10aあたりの精玄米重が60.6kgと多収になる。ただし、耐冷性には強いものの、いもちや耐倒伏性にはやや弱いため、栽培の際には適切な防除や施肥が重要になる。
24年産米では、旭川市で2haが作付けされた。農研機構では、今後も「北海道初の高アミロース米として普及を拡大していきたい」としている。
(写真)北瑞穂を使ったライスパスタ(貝殻型)
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