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厳しい環境下での経営基盤づくりが最大課題  日本生協連全国政策討論集会開催

 日本生協連は、1月16〜17日に東京・都市センターホールで「2012年全国政策討論集会」を開催し、2011年度の「活動のまとめ」と12年度の活動方針などについて討議した。

◆震災復興支援を第一の課題に設定

2012年日本生協連全国政策討論集会 11年度の「活動のまとめ」では、個別課題ごとには店舗事業で「利用人数の前年割れが続いている」など課題の到達状況に差はあるが、基調としては「生協組織を基盤に育んできた人びとのつながりと、連帯の強化によって培われてきた生協事業の実力の上に、生協運動の社会性を発揮し、(2020年)ビジョンの方向性を確認できた年」だったと総括している。
 その上に立って12年度の「活動方針の基調」として、▽東日本大震災への復興支援▽国際協同組合年(IYC)の取り組みとビジビリティの向上▽生協法5年後(13年)見直しに向けた全国論議▽次期中計(13年〜15年)の策定の4課題を「特別課題」として設定した。
 「震災への復興支援」については、生協は「最初に支援に入ったのだから最後まで支援しよう」(矢野和博専務)を合言葉に、全国で「つながろう CO・OPアクション」によるボランティア活動の促進、くらし応援募金を現地活動支援に取り組むとともに、CO・OP商品による「がんばろう東日本!」を活用しながら、商品の取り扱いを通じて被災地の経済復興に貢献していく。
 IYCの取り組みとしては、全国実行委員会と各都道府県実行委員会を「運営し、IYCの共同企画を具体的に実施」していく。また、生協法見直しについては「見直し検討委員会」の答申を踏まえて3月の理事会で「要望案」をまとめる予定となっている。


◆放射性物質の食事摂取量を検査

 事業面での課題としては、▽商品力強化、産直事業の強化▽赤字店舗対策の断行、店舗の基礎力強化▽宅配事業の効率化と未来に向けた戦略検討など6課題を掲げた。
 商品力強化・産直事業強化では、「生鮮・惣菜の強化、競合に負けない商品調達力、魅力あるコープ商品開発」に取り組むことを第一にあげた。
 また食品の放射性物質の基準値問題についてコープふくしまから「基準値の引き下げは福島の復興にとって逆効果であり、農業生産者に犠牲を強いるものだ」と、政府の新基準値案に反対する意見が表明されたが、日本生協連としては「国の基準が決まればそれに準じ、それをよりよいものにしていく」とし、「別の基準はつくらない」としたうえで、いま必要なことは「きちんとした検査体制の確立と除染をする」ことだと矢野専務は「まとめ」で述べた。
 そして日本生協連としては現在コープふくしまで進めている「食事のメニュー単位摂取量検査」の範囲を首都圏などに広げ、検査機器などが整っている生協の協力も得て「厳格に検査」していくことにしている。


◆経常剰余率2%をめざして

 店舗事業では「チェーンストアづくりを基本としながら、小商圏で幅広い層に支持される店づくり」をめざしていく。「成熟期」に入った宅配事業については「コース編成の最適化や作業改善、インターネットの活用、事業連合への機能統合の工夫などによって、事業効率化に向けた取り組み」をさらに進めていく。
 経営面では各生協が「経常剰余率1%(最低水準)を達成し、2%を確保することを目標」に取り組むが、12年度は「組合員のくらしも厳しくなり、震災にともなう特別な需要も失われる」ことから「供給高のマイナスも覚悟しながら」経営体質の強化をはかることが必要だと厳しい見方を示している。
 事業連帯の推進では「事業連合と日本生協連が力を合わせ、競争に打ち勝つ連帯を構築して」いくことにしているが、ユーコープ事業連合参加の神奈川・静岡・山梨の3生協、コープネット事業連合参加の東京・埼玉・千葉の3生協で県域を超えた合併についての検討が行われていることも報告された。
 そのほか、組織や社会的役割などの課題と合わせて全部で17の課題を12年度の重点課題として取り組んでいくことになる。
 11年度の推定事業概況は別掲のように、大震災による「特別な需要」もあって全体的には「微増収微増益」となったが、12年度については依然として「経済・くらし・事業経営の危機に対応していく年」であることに変わりはなく、特別課題として掲げられた「復興支援」も時間がかかるので、これを「継続するための経営づくり」(浅田克己会長)としてすすめることが最大の課題だといえる。

 

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