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福島米の信頼回復策を要請  JAグループ福島

 JA全中の萬歳章会長らは2月9日、鹿野道彦農相に対して24年度畜産・酪農対策で要請するとともに、庄條徳一JA福島中央会会長が「ふくしま米の信頼回復に向けた安全・安心対策に関する要請」を行った。

鹿野農相(手前)に要請する萬歳全中会長(中央)、庄條福島中央会会長(左)、飛田全中副会長(右) 萬歳会長は鹿野農相に対し、食品の放射性物質の新基準値が示され4月から米には100Bq/kgが適用されることで「生産現場では大変な不安と混乱が生じている。安心して農業に取り組めるようにリーダーシップを発揮し国の責任で万全な対策を」と要請した。
 福島県の庄條会長は23年産米で検出された100ベクレル超の米の特別隔離対策と国による買い上げと24年産米の作付け制限についての早急な方針決定と生産者への十分な説明の必要性などを訴えたほか、風評被害が拡大していることから「消費者に100ベクレル以下の米は安全・安心だという根拠を示し消費拡大につなげていただきたい」などと要請した。 要請事項では、一筆単位で土壌調査を実施し汚染マップを国・県の責任で作成することや、米の非食用利用のためのバイオエタノールプラントの設置なども求めている。
 また、畜産酪農対策については飛田稔章JA全中副会長が、3月も政策価格決定では加工原料乳補給金単価の引き上げなど畜産・酪農生産者が将来を見通せる判断を示す努力を求めた。
 福島県の米の作付け問題について鹿野農相は県や関係市町村と「よく相談をして決して押しつけでないかたちで決めていきたい」などと語った。

(写真)鹿野農相(手前)に要請する萬歳全中会長(中央)、庄條福島中央会会長(左)、飛田全中副会長(右)



【福島米に関する要請の概要】
(23年産米特別隔離対策)

▽500ベクレル以下・100ベクレル超過地域は地域単位での買い入れを基本とすること、▽買い入れと代金支払いが早期に実施できるよう民間法人の立ち上げと対策スキームの早急な設定、▽産地倉庫での隔離米穀の国・県の責任による速やかな移動と処分、▽100ベクレル以下でも数値が検出され販売が困難な場合の国の買い入れ
(24年産米作付け)
▽100ベクレル超過地域で作付け制限を実施する場合の国の責任による説明と指示、除染対策と保全管理対策、損害の東電による賠償、▽ND米生産に向けた指導の徹底。
(全袋検査)
▽確実に全袋検査が実現するよう検査機器の開発と導入、▽国直轄の検査機関の設置。
(土壌分析)
▽一筆単位の調査と土壌汚染マップの作成、マッピングシステムの活用支援、▽非食用利用に向けたバイオエタノール精製プラントの設置。

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