昨年8月30日に公表した福島県周辺6県の放射性物質濃度分布図よりも調査範囲を拡大し、また、より精緻なものを目指した。
結果は、これまでの航空機モニタリングなどで得られた空間線量率の分布とほぼ同様の傾向を示した。
また自治体レベルでの詳細な濃度分布が明らかになったので、今後の除染や営農現場での活用を進める。
昨年の分布図は宮城、福島、栃木、群馬、茨城、千葉の6県の農地土壌を対象としたが、今回は岩手、山形、埼玉、東京、神奈川、新潟、山梨、長野、静岡の9都県を追加。計15都県を対象とした。
調査地点は福島県が約2200地点(警戒区域を含む)、他の14都県では計約1200の総計約3400地点とした。福島県については市町村別の分布図を作成した。
そうした中で、農地上1mの高さの空間線量率と農地土壌中の放射性セシウム濃度との間には、その土質や農地の状態に応じて一定の相関があることがわかった。
これを踏まえ、簡便に測定できる空間線量率から、農地土壌中の放射性セシウム濃度を簡易的に算定する方法を提示した。同省は、一定の誤差はあるが、営農現場でおおよその濃度を把握する際に役立つものと考えているとした。
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