規模拡大加算は、農地利用集積円滑化団体を通じて面的に集積し利用権を設定した場合に10aあたり2万円を加算する措置。
2月29日現在で全国の交付申請件数は7510件、申請面積は1万6582haとなった。予算額は100億円を措置したが交付申請金額は33億2000万円にとどまった。
実績が予算措置額の3分の1だったことについて鹿野農相は4月3日の会見で「私どもも厳粛に受け止めなきゃいけないと思っている。周知徹底もなされていなかったのかと反省もしている」と話した。
そのうえで24年度予算では農地の「出し手」に対して交付する農地集積協力金を盛り込んだことから、「生産性の向上はこれからも推進していかなければならない。周知徹底も含めて地域の方々と人・農地プランを作成していだだくなかでしっかり話し合ってご理解いただく努力をしていかなければならないと考えている」と述べた。
交付申請面積の上位は(1)北海道(5235ha)、(2)新潟県(827ha)、(3)秋田県(813ha)、(4)滋賀県(812ha)、(5)愛知県(719ha)などとなっている。滋賀県のほか、島根県も596haと7番目に多い交付申請面積で農水省は集落営農の法人化が活発との理由を指摘している。
また、交付申請面積を農地利用集積円滑化の実施団体別に分けると、JAが44%ともっとも多く、市町村29%、協議会15%、公社13%の順となった。
農水省が行った実施団体へのアンケートによると、規模拡大加算措置について25%の団体が「相当程度活用された」と回答。一方、75%の団体は農地集積について「評価できる水準に達していない」と回答した。
その理由は「面的集積するのが難しいため」(29%)、「農地の出し手が少ないため」(15%)、「農地の受け手が少ないため」(15%)となった。農水省は農地の出し手・受け手が少ないという問題については「農地集積協力金や規模拡大加算を継続していくことで次第に問題が解消していくものと考えられる」としている。
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