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米国の自動車業界は強硬に反対 TPP交渉

 4月末に行われた日米首脳会談でオバマ大統領はTPP交渉に関して米国側は「自動車」、「保険」、「牛肉」に関心を持っていると表明した。これらの分野について事前協議の段階で改善が行われなければ米国は日本の交渉参加入りを議会に通告できないと見られている。その意味で現在行われている事前協議の内容は極めて重要だが、政府は一向に国民に明らかにしていない。こうしたなかJA全中の国際食料・農業レター(5月号)は事前協議の動向を分析している。

 同レターはUSTR(米通商代表部)が自動車市場の非関税障壁を10項目ほど明確にした、と専門誌が報じていることを紹介している。
 USTRもそれを公表はしていないが、業界や議会からのこれまでに提出された項目は「エコカー補助金の対象」、「代理店の取扱い」、「差別的な税制措置」、「軽自動車規格」、「排気基準」などが上がっているという。
 米国では3大自動車メーカーで構成する全米自動車政策協議会は日本のTPP交渉に強硬に反対。USTRが日本市場の非関税障壁の一覧提出を求めたときにも「問題の解決につながらない」として提出を拒否したほどだという。
 一方、保険分野については日本郵政の斎籐社長が、かんぽ生命保険によるガン保険の参入を当面見送るとした一部報道は米国の意図を汲んだ日本側の自主的な措置の一環と受け止められているという。
 ただし、米国内の業界シンクタンクは米国を含め交渉参加国は改正郵政民営化法を容認しないだろうとの見解を示しているという。
 TPP交渉を米国議会で所管しているのは下院歳入委員会と上院財政委員会。上院同委のボーカス議長はBSE問題に関心が強く、下院同委のキャンプ議長、野党のレヴィン筆頭理事はともにわが国自動車市場が極めて閉鎖的と問題視しているという。
 このためUSTRは米国業界と議員が自動車、郵政に関して納得する状態に改善されたという確信を持てない限り議会に日本参加を認める意思を通告できないだろうと分析。すなわち、日米事前協議の内容が極めて重要な問題で、それはTPP交渉参加の条件の段階ですでにわが国の規制やルールを大幅に変更させるものとなりかねない。政府には説明責任を強く求めていく必要がある。


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