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事前協議で「譲歩せず」を政府に要請 民主党PT総会

 民主党の経済連携PTは7月11日の総会で政府に対し、TPP交渉の関係国との事前協議で個別具体的な分野で譲歩しないよう政府に求める文書を了承した。党の政策調査会で12日にも正式決定し、政府に申し入れる。

 TPP交渉参加に向けた政府の事前協議のなかで、米国は日本に対して「自動車」、「保険」、「牛肉」の3分野への関心を表明し、とくに自動車については税制や排ガス規制など6項目を問題にしていると日本政府は明らかにしている。
 具体的な要求は明らかにしていないが、米国がこれらの項目について納得する規制や制度の見直しをすることがTPP交渉参加のための「入場料」ではないかと指摘され、交渉参加前にもかかわらず日本政府は一定の譲歩をする可能性もあるとの見方も出ていた。
 こうしたなか5日の経済連携PTの総会では「政府に“前払い”しないよう決議すべきだ」との意見が出されたことから党として要請することにしたもの。 政府への申し入れの文書名は「TPP交渉参加に向けた関係国との協議に関する要請」。 全文は以下のとおり。「TPP交渉参加に向けた関係国との協議に際し、政府は個別具体的な分野において当該関係国との将来の経済連携のあり方に影響し、国益を損なうような如何なる譲歩もしないよう、党として強く求める」。
 12日にも党として正式に決定し、櫻井充座長が政府に申し入れる予定。
 経済連携PTはこの日からTPP交渉に関する「懸念事項」について議論を始めた。TPP交渉がめざす協定が原則として例外を認めないことや、各国の制度にまで関わるなどTPP交渉の性格そのものに関わる議論のほか、市場アクセス、非関税分野など各分野ごとに検証していく予定。


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