セミナーでは浜松医科大学付属病院周産母子センター長の伊東宏晃氏が妊婦の栄養摂取不足と次世代の肥満発症リスクについて述べた。
日本では2500g以下の低出生体重児が年々増えており、その背景のひとつには若年女性のやせの増加があると指摘。実際に日本人のBMI(国際的な肥満度指標。体重÷身長の二乗)の変化を見ても、20才、30才代の女性の平均値が低下している。
妊娠中も妊娠前とかわらない食事をしている妊婦が多く、妊娠中の低栄養も要因の1つだとしている。その背景には妊娠中毒症の予防として導入された妊婦への栄養管理指導があると指摘した。
また、日本人の総摂取カロリー平均は1970年以降低下しているにもかかわらず肥満が増加していることと低出生体重児との関わりについても説明した。
伊東氏は「体重だけを重視するのでなく食事内容を見直す指導に力を入れる」ことや、「若年女性のみならず、次世代のために食事内容の改善が重要だ」と述べた。
(関連記事)
・11月に酪農政策・穀物市場テーマにセミナー 全国3カ所で (2012.10.04)
・「牛乳で健康美」促すリーフレット Jミルク (2012.09.13)
・バター2000tを追加輸入 農水省―JA全中・飛田酪農委員長がコメント (2012.08.03)
・「乳の学術連合」設立、普及事業の数値目標など決める Jミルクが臨時総会 (2012.03.08)