この交流会は女性生産者、消費者同士の交流を深める場として毎年開いている。今年は全国24産地から約100人の女性生産者が集い、産地や地域が活性化していくためのヒントを学びあった。
交流会では筑波大学の納口るり子教授が「女性の感性を活かした農業のあり方について」と題して講演し、女性が持つ優れた感性について考えを述べた。
納口教授は実際に生産者に行った研修のレポートから、食や農に対する女性の感性として▽生産だけでなく加工・販売にも着手したいという思いがあること▽消費場面を含めた意識やお客様目線をもっていること▽農産物・花を料理・アレンジする工夫▽食育による次世代育成▽お客様とのコミュニケーションを重視する点などを特徴に挙げた。
こういった女性の持つ他者への共感力やコミュニケーション力、経済だけでなく生活や地域、人間関係など豊かさの尺度を総合的に考える点などを評価し、その具体的な取り組みとして千葉県白井市の駅改札内で野菜の直売を行う女性や、茨城県坂東市で地域の交流の場となっている農家レストランを友人と2人で営む女性などの事例を紹介した。
納口教授は「男性中心の社会に女性の感性が加わることで産地の量的・質的な地域の発展が可能にあるのではないか」と述べ、農村の女性中心に都市との交流を図り、農業・農村の再構築に取り組む必要性を強調した。
講演後はグループディスカッションを行い、そのなかで「組合員にもっと生産者のことを知ってもらうにはどうしたらいいか」について話し合うなど、組合員との交流の重要性が共通の課題としてみられた。
また、11月2日には生産者と組合員同士の交流会を各会員生協の本部で行った。
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納口るり子筑波大学教授
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