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「米の需要減を生産数量減にしないで」 穀検関東支部60周年祝賀会

 日本穀物検定協会(穀検)は11月27日、関東支部の創立60周年祝賀会を開いた。

 祝賀会に先だって行われた講演会では、関東農政局の武石徹次長が、関東の米麦をめぐる情勢について講演会を行った。
 関東農政局が直轄する1都6県と山梨、静岡、長野の計10都県の平成23年産米作付面積は31万2800haで、17年以降年々減少傾向にあるが、収穫量は167万トンで18年以降ほぼ横ばいとなっている。千葉、長野など過去5カ年平均の1等米比率が90%を超える地域もあり、全国平均よりも1等米比率が高いのが特徴だ。
 しかし、大きな問題となっているのが過剰作付だ。24年産米の過剰作付面積は、千葉が1万1300ha、茨城が6600ha、埼玉が2400haなど合計2万3231haあり、全国の過剰作付面積約2万4000haのうち、実に97%を関東が占めていることになる。
 「戸別所得補償制度が導入される前の21年産米と比べて、過剰作付は4000ha以上減った(直轄10都県ベース)」(武石氏)と戸別所得補償制度による効果を述べたが、この減少分の中には東日本大震災の被害により、やむなく作付ができなかった水田なども含まれており、過剰作付を解消する有効な手立てにはなっていないのが現状だ。実際、24年産米の過剰作付面積は、23年産米に比べて1000haも増えている。
 今後も、▽需要者ニーズも踏まえた麦・大豆など戦略作物の作付拡大、▽加工用米の生産・流通コストを抑えて低価格帯需要に対応させる、▽飼料用米の生産促進のため地域内での耕畜連携の推進や保管場所の確保をすすめる、など戸別所得補償制度を軸にした対策を強化していく方針だという。
東京コメ卸協議会の木村良会長 祝賀会では、東京コメ卸協議会の木村良会長(写真)が、作況が102だったにもかかわらず米価が高値を維持していることに触れ、「従来の集荷や流通モデルに乗る量が減ってきたのではないか。米価が高いため、コンビニや中食メーカーなどは、おにぎりや弁当のごはんの量を10gほど減らすことを検討しているという話もある。しかしこれを米需要の減少だとして、生産数量を減らすというような方向性には進まないでほしい」と今後の政策への要望を述べつつ、「米卸として、引き続き消費者に安心して食べられるお米を届けよう」と、参加者らに呼びかけた。


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