日本とカナダのEPA交渉は2010年に両国首脳会談で前向きに検討していくことに合意したことから、11年に共同研究が開始され今年3月に報告書がまとめられた。
これを受けて野田首相とハーバー首相が3月の首脳会談で交渉開始に合意した。
今回の会合には日本側首席交渉官の横田淳・経済外交担当大使をはじめ経産省、農水省など関係省庁の関係者が出席。カナダ側は首席交渉官のバーニー外務国際貿易省次官らが出席した。
会合では交渉体制や交渉分野を含めた交渉の枠組みについて両国の代表団で議論し合意したという。また、複数の分野では両国が条文案を示し合って議論された。共同研究段階では物品貿易、サービス貿易、投資など15分野で研究が行われている。
農林水産分野も研究されたが、報告書では両国間で農林水産品の貿易促進と農林水産業、農山漁村の健全な発展を両立させることに合意、センシティブ品目に配慮するとされている。
カナダから日本への輸入品のうち約46%が農林水産品。日本の輸入農林水産物全体では約7%を占める。今回の会合では具体的な品目が議論されることはなく、基本的な考え方を議論したという。
また、カナダはTPP参加が認められたが、今回は外務省によると「TPPと絡めた議論はなかった」。
今回の会合は「1回めとしてはスムーズなスタート」(外務省)だといい、年4回のペースで交渉を続けることに合意、次回は来年4月ごろにオタワで開催することを決めた。 日本政府は日加EPA交渉では2010年11月に閣議決定した経済連携に関する基本方針に基づき「センシティブ品目に配慮しつつ高いレベルの連携」をめざすとしている。
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