これまでJAグループは平成14年に策定した「食の安全・安心に向けたJAグループの取組み方針」に基づいて生産履歴記帳の徹底やGAPの推進に取り組み、その成果をあげてきた。
しかし、生産履歴記帳は農薬適正使用の記帳に主眼がおかれ、記帳以外のリスク軽減の取り組みについて把握できていなかったことや、農産物に潜む危害発生要因の特定や適切な措置の担保がされていないなど、川下からの科学的評価に基づくリスク管理が不十分であったとして、改めてリスク管理の徹底をはかっていく。
新たな方針では、平成25年度からの3年間でJAの全生産部会・直売所などで食の安全に関するルールを策定し、そのルールを遵守した生産・出荷が行われることを重点目標としている。
とくに直売所はリスク管理者が各段階ごとに異なる通常のフードチェーンとちがい、集荷から小売までのリスク管理が一カ所負担であることからリスクの把握が重要になる。
今年度は各JAが優先的にルールづくりをすすめる必要がある対象組織を選定し、25年度からの実践に向けた年間計画などを記入した「ロードマップ」を作成、食の安全担当者も明確化する。
ロードマップに加える対象組織はフローチャートをもとに判別していく。直売所を例に挙げれば(図参照)、「直売所における食の安全に対する取り組み内容をJAが把握している」に「NO」と該当する直売所はすべて対象となる。「YES」であっても▽生産履歴の提出・農産物の安全確保の仕組みがない▽取扱販売品目に応じた適切な営業許可をとっていない▽適正な食品表示のためのチェック体制が整っていない、などの直売所も対象とする。こうすることで、これまで取り組みが遅れていた組織の底上げを図っていく考えだ。
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