同プロジェクトは木質バイオマス施設から生み出される電気、熱、燃料(水素エネルギー)などを活用する取り組みだ。
発電施設ではすでに一般的な電気と熱を利用するコージェネレーション(熱併給発電)に加えて、次世代自動車の燃料となる水素の利用ができる。電気、熱、燃料の3エネルギー供給プラントは、商用としては世界で初めてとなる。
プラントが使用する原料としては、木質バイォマスだけでなく、汚泥や農産物などの残さといった地域バイオも活用できる。
今回、市は森林資源活用を目指すが、将来的には各地域の実情に見合った事業モデルの構築も期待される。
水素を使用する燃料電池自動車は大手企業が平成27年までに水素供給拠点を100カ所ほど整備するとのことだが、全国で供給する場合、輸送コストが大きな問題点となる。
宮古市での水素精製は山間地域でも幅広く導入可能なプロジェクトといえる。
木質バイオマス施設は、間伐材などの木質チップを熱媒体で加熱することによってバイオガスを発生させた後、ガス分離を経て、高純度水素ガスとすることができる。
同施設は敷地総面積1ha、水素製造量40Nm3/h(予定)、発電出力3000kw(予定)、熱利用可能量(重油換算)115万リットル/1年。事業主体は民間企業が特定目的会社を設立。
プロジェクトは、新しいエネルギーを自分たちの手でつくり、世界に先駆け未来を拓く、次世代へ向けた宮古市の「挑戦」であるとしてロゴマークの青色は挑戦の青い種を撒くことを象徴した。
このため木質バイオマス施設を「BLUEタワー」と呼ぶ。
※ Nm3(ノルマル・リューベ)は、標準状態(0℃、1気圧)におけるガスの体積を示す。
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