調査は20〜59歳の男女を対象に行い、5000人の回答を集計した。
◆「TPP」内容把握 27.6%
「TPP」の認知についての調査では「内容を知っている」が27.6%、「聞いたことがある」が44.7%で、これらをあわせた認知率は72.3%となった。「内容を知っている」と答えた人を職業別に見ると、半数以上の52.8%が「経営者・役員」で、次いで「公務員」(40.4%)、「自営業・自由業」(38.0%)、「会社員」(32.8%)と続く。業種別では「商社」(47.5%)、「農林・水産・畜産業」(43.9%)、「出版・マスコミ業」(43.3%)の認知率が4割超で高かった。
一方「知らない」との回答は全体で27.7%。なかでも「専業主婦・主夫」が43.7%ともっとも多かった。
ちなみに「FTA(自由貿易協定)」の認知率は74.9%、「EPA(経済連携協定)」の認知率は55.9%だった。
◆TPP参加で「食の安全」に不安
TPPについて説明した後、TPP参加の是非に関連して挙げた項目の中で「不安に感じる」との回答が多かったのは「参加によって国産の割合が低下し、食の安全性を守ることが困難になること」(66.4%)、「関税撤廃で食料自給率の低下が深刻になること」(65.8%)で、特に「専業主婦・主夫」と「農林・水産・畜産業」からの回答が7割以上と高かった。
またTPP参加実現の可能性について「期待している」との回答が多かった項目は「関税撤廃で消費者が安価な食料品を購入できること」の51.6%で、特に「経営者・役員」からの回答が62.5%と高かった。
◆「賛成」が「反対」上回る
TPPの参加について聞いたところ、「強く賛成」(5.7%)と「どちらかというと賛成」(29.4%)をあわせて「賛成」と答えた人は35.1%となった。職業別では「経営者・役員」が56.9%、業種別では「情報通信業」が48.6%で「賛成」との回答が高かった。
一方「強く反対」(5.2%)、「どちらかというと反対」(16.7%)をあわせて「反対」と答えた人は21.9%で「賛成」を13.2ポイント下回る結果となったが、4割強の人が「どちらでもない」、「わからない」と答えている。
◆国民への情報開示は不十分
TPP参加の是非に関連した項目について自身の考えと「あてはまる」との回答が多かったのは「日本政府は慎重に検討すべきだと思う」の72.3%で、次に「参加の是非を議論するための十分な情報が国民に開示されていないと思う」の70.4%となった。後者ではTPP参加に「賛成」という人も78.9%が「あてはまる」と答えており、より情報の開示が求められていることがわかる。
またTPP参加に関連して挙げた項目では「TPPに参加した場合、日本の食料自給率の低下を防ぐべきだと思う」が72.4%でもっとも多く、TPP参加に「賛成」という人も71.6%が「あてはまる」と答えた
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