◆全体状況
外食産業の4月の売上げは、対前年比97.2%と、過去最大の減少率だった3月のマイナス10.3%から急速に回復した。復興支援の高まりが売上げに好影響を与えたようだと協会は分析している。
しかし、利用客数が97.0%に止まっているように、引き続く余震による不安、広告や販促の自粛、節電意識向上による夜間の店舗ネオンや街灯の消灯など、深夜帯の外出客の減少で、全体的にはまだ消費は鈍っているとみている。
月末から始まったゴールデンウィーク時には、一部被災店を除き、営業体制を通常営業時間まで復旧させ売上げに貢献した。また、宴会需要の3月からのずれ込み回復など、予想以上に外食の利用動機は高まっているが、夏場に向けて、東日本の電力供給次第という不確定要素や、地域格差による売上げのまだら模様など、まだ不透明な状況が予想されている。
◆ファーストフード業態
販促や新商品投入で客数は96.8%まで回復し、売上げも98.2%となった。
業種別では、3月の売上げが81%と不調だった持ち帰り米飯・回転寿司が96.1%まで回復した。
一方、3月売上げ102.3%と好調だった牛丼などの和風が深夜帯の客数減で94.7%と減少した。麺類は売上げ108.5と好調に推移した。
◆ファミリーレストラン業態
ランチタイムの客がほぼ回復したこともあり、客数98.4%、客単価100.1%となり、売上げも98.5%に回復した。中華は、売上げ101.2%と前年を上回り好調だ。
◆パブ・居酒屋業態
居酒屋業態で3月からずれ込んだ宴会需要で若干の回復はあったが、全体としては震災による宴会自粛や外出客減少の影響をもっとも受け、客数93.4%、売上げ89.0%と大幅減が続いている。
◆ディナーレストラン業態
「ハレの日」需要も戻りつつあることから、客数98.2%、客単価99.3%となり、売上げも3月の80.5%から97.5%へ回復した。
◆喫茶業態
客単価は99.8%と前年並みとなったが、都心立地が多く、都心の回復遅れの影響をうけたためか客数が95.8%と伸びず、売上げも95.6%に留まっている。
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