23年度の肉用牛1頭当たりの資本利子・地代全額算入生産費(全算入生産費)は配合飼料価格の上昇による飼料費の増加などからすべての経営体で増加した。
【子牛】
繁殖めす牛を飼養し、肉専用種の子牛を販売する経営での子牛1頭当たり全算入生産費は56万9130円で前年より0.9%増えた。平成11年度の調査以降もっとも高い。
飼養期間の短縮で労働費は減少したが、配合飼料価格の上昇によって飼料費が増加したことなどが要因。
繁殖めす牛1頭当たりの粗収益は市場価格の上昇で前年比2.3%増の41万5141円。
【去勢若齢肥育牛】
肉専用種の去勢若齢肥育和牛を肥育し販売する経営の1頭当たり全算入生産費は前年比2.1%増の88万7105円。配合飼料価格の上昇で飼料費が増加したため。
1頭当たりの粗収益は市場価格の低下で前年比4.9%減の79万8910円。
【乳用おす育成牛】
乳用種のおす子牛を育成・販売する経営の1頭当たり全算入生産費は前年比14.3%増の13万8199円。もと牛導入時期(主に平成22年9月〜23年8月)のもと畜費の上昇や配合飼料価格上昇による飼料費の増加などが要因。
1頭当たりの粗収益は市場価格の上昇で前年比9.4%増の11万375円。
【乳用おす肥育牛】
乳用種のおす牛を肥育・販売する経営の1頭当たり全算入生産費は前年比4.9%増の40万6604円。配合飼料価格上昇による飼料費の増加などが要因。
1頭当たりの粗収益は市場価格の低下で前年比7.1%減の30万8723円。
【交雑種育成牛】
交雑種の子牛を育成し販売する経営の1頭当たりの全算入生産費は前年比15.8%増の25万6542円。平成11年度の調査以降もっとも高い。もと牛導入時期(主に平成22年10月〜23年9月)のもと畜費の増加や配合飼料価格上昇による飼料費の増加などが要因。
1頭当たりの粗収益は市場価格の低下で前年比7.1%減の23万615円。
【交雑種肥育牛】
交雑種の牛を肥育し販売する経営の1頭当たりの全算入生産費は前年比16.0%増の64万9117円。もと牛導入時期(主に平成21年9月〜22年8月)のもと畜費の増加や配合飼料価格上昇による飼料費の増加などが要因。
1頭当たりの粗収益は市場価格の低下で前年比6.3%減の51万1004円。
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