金融共済:平成29年度JA共済優績組合表彰
【平成29年度・JA共済大賞3JA】JAぎふ(岐阜県)2018年5月17日
「真のあんしんチェック」が奏功
3Q訪問を徹底し初の大賞受賞
岐阜県のJAぎふは平成29年度、合併10年目で初のJA共済大賞を受賞しました。3Q訪問活動と、あんしんいっぱいキャンペーンを活用した「真のあんしんチェック」が奏功しました。櫻井宏組合長は「念願の受賞となり、職員全員にお礼を言いたい。本店と支店が一丸となって組合員・利用者との接点強化に取り組み、一つひとつ信頼を勝ち取った成果です」と喜びを語りました。
29年度の共済事業の実績は、長期契約の保有高が2兆1508億円、長期共済新契約が2923億円、自動車共済新契約が3万5666件となっています。長期共済新契約のうち、生命共済は173億円、建物更生共済が2750億円、年金共済は11億3927万円(年金金額)の実績を挙げました。
◆組合員目線で評価契約後の対応力を
こども共済・建物更生共済の仕組改訂などを活用した案内活動を展開した中で、将来の事業基盤への影響を鑑み、異例ではありましたが、6月には重点施策ポイントの評価を変更しました。また、3Q訪問活動やあんしんチェックといった活動についても目標を設定。活動の内容を評価することで、組合員・利用者目線での取り組みを促し、人や環境に左右されない活動手法を徹底することが狙いです。
共済部の栗木政彦部長は「新規契約の獲得はJAの事業基盤にとって重要な意味を持つため、年度途中でしたが評価方法を変え、軌道修正を図りました。これにより、職員がより深く組合員・利用者と接するきっかけにもなり、相乗効果を発揮しました」と説明します。
評価の基準となる目標の進捗管理は、支店ごとに管内55店舗を12グループに分けて行っています。月に一度、本店と各グループの統括支店長で、当月の計画されてきた目標に対する行動計画などについて把握することを目的とした「レビュー」を行い、適宜修正策などを指示しています。
伊藤正人常務は「組合員・利用者の目線で、3Q訪問活動といった契約後のフォロー活動を充実させていくことが大切です。共済の真価が問われるのは、万が一のけがや病気のときなど、契約後の対応力だからです」と話します。
(写真)櫻井組合長
JAぎふの相談機能の強化の要は、LA経験のある9人のLAインストラクターです。各拠点に配属され、複合渉外として活動するLA209人に研修や同行推進を行いました。ほとんどの職員が入組2年目でLAになるため、入組1年目の事前育成研修と2年目のLA配属直後のフォローは育成プログラムの一環として重点的に行っています。スマイルサポーターインストラクターは、各グループに1人ずつ配属され、スマイルサポーターをフォローしています。また、月に一度、スマイルサポーターを集めたミーティングを開き、現状・課題などを共有するといった活動も行っています。
LAインストラクターは、LAが活用するタブレット端末「Lablet's」の習熟度や共済仕組みについて知識を確認する「スキルマップ」を作成し、LAに自己分析してもらう活動もしています。知識のばらつきや推進での不安を無くすため、各職員のスキルに合わせた階層別研修につなげています。人材育成に当たっては、JA共済連岐阜県本部と連携を密にしながら進めています。
栗本斛朗専務は「組合員・利用者のために何が提案できるのかを、自ら考え行動できる職員を育てることは、JAが地域に貢献していく上で不可欠です」と語ります。
(写真)栗本専務
◆毎週水曜日に訪問役員・本部職員も
JAぎふは地域に必要とされるJAを目指し、28~30年度末までの3年間を「積極的な自己改革への挑戦」をテーマに「第3次中期経営計画」として、自己改革に取り組んでいます。29年度は、役員が認定農業者を全戸訪問しました。岩佐哲司常務は「訪問を通じて、JAへの期待は高いと再認識できました。職員がしっかりと期待に応えていくことがJAへの理解と評価につながると実感しました」と振り返りました。
29年度から、新たに「☆みらいJAプロジェクト☆」と称して、認定農業者や共済大口契約先など、各カテゴリーの組合員・利用者先を、営業店のみならず、役員・本部職員も毎週水曜日を家庭訪問日と定め、相談やニーズを聞き取り、経営に活かす活動を行っています。この活動で得た情報を一元管理できるシステムを構築しました。
他にも、小さな子を持つ親の交友の場として、職員手づくりによる「JAぎふJA共済アンパンマンこどもくらぶ」を開いています。員外利用者も含めて利用ができ、JAのファンづくりにつながっています。
櫻井組合長は「共済事業は形のないものを届ける仕事。組合員・利用者から信頼を得ることが欠かせません。契約後の訪問活動は今後も重視していきます。自己改革の最終年度に当たる30年度は、なかったら困るJAと言ってもらえるよう、組合員・利用者とのつながりをさらに深めていきたい」と力強く語ります。
(写真上から)伊藤常務、岩佐常務
【JAの概況】
JAぎふは平成20年4月に岐阜地域の6JAが合併し、誕生しました。平成29年度末の組合員数は10万2512人(うち正組合員数は3万8234人)。信用事業で9830億円の貯金がある他、購買事業は79億円、販売事業が96億円。職員数は1030人で、店舗は55か所あります。
主な農作物は枝豆、柿、イチゴ、ニンジン、ホウレンソウ、大根、米で、畜産も盛んです。直売所や学校給食で、地産地消を広げるほか、食農教育活動や優良農地の確保、耕作放棄地を農地としてよみがえらせる「農山村のふるさとづくり」といった地域貢献を行っています。
(写真)大型直売所「おんさい広場」
(関連記事)
・【市村幸太郎・JA共済連経営管理委員会会長に聞く】明日の暮らしと営農支えるJA共済(18.05.16)
・【平成29年度・JA共済大賞3JA】JA兵庫六甲(兵庫県)(18.05.17)
・【平成29年度・JA共済大賞3JA】JAならけん(奈良県)(18.05.17)
・全国目標8年連続達成をめざす JA共済全国普及推進進発式(18.04.19)
・【JA共済大賞に輝く3JAの取り組み】 地域・次世代との絆を強め 信頼と助け合いの心を育む(17.05.18)
重要な記事
最新の記事
-
【人事異動】JA全農(2025年1月1日付)2024年11月21日
-
【地域を診る】調査なくして政策なし 統計数字の落とし穴 京都橘大学教授 岡田知弘氏2024年11月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】国家戦略の欠如2024年11月21日
-
加藤一二三さんの詰め将棋連載がギネス世界記録に認定 『家の光』に65年62日掲載2024年11月21日
-
地域の活性化で「酪農危機」突破を 全農酪農経営体験発表会2024年11月21日
-
全農いわて 24年産米仮渡金(JA概算金)、追加支払い2000円 「販売環境好転、生産者に還元」2024年11月21日
-
鳥インフル ポーランドからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
鳥インフル カナダからの生きた家きん、家きん肉等の輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
JAあつぎとJAいちかわが連携協定 都市近郊農協同士 特産物販売や人的交流でタッグ2024年11月21日
-
どぶろくから酒、ビールへ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第317回2024年11月21日
-
JA三井ストラテジックパートナーズが営業開始 パートナー戦略を加速 JA三井リース2024年11月21日
-
【役員人事】協友アグリ(1月29日付)2024年11月21日
-
畜産から生まれる電気 発電所からリアルタイム配信 パルシステム東京2024年11月21日
-
積寒地でもスニーカーの歩きやすさ 防寒ブーツ「モントレ MB-799」発売 アキレス2024年11月21日
-
滋賀県「女性農業者学びのミニ講座」刈払機の使い方とメンテナンスを伝授 農機具王2024年11月21日
-
オーガニック日本茶を増やす「Ochanowa」有機JAS認証を取得 マイファーム2024年11月21日
-
11月29日「いい肉を当てよう 近江牛ガチャ」初開催 ここ滋賀2024年11月21日
-
「紅まどんな」解禁 愛媛県産かんきつ3品種「紅コレクション」各地でコラボ開始2024年11月21日
-
ベトナム南部における販売協力 トーモク2024年11月21日
-
有機EL発光材料の量産体制構築へ Kyuluxと資本業務提携契約を締結 日本曹達2024年11月21日