総理大臣賞決定 第40回「ごはん・お米とわたし」作文・図画コンクール2015年12月10日
JA全中は12月9日、「第40回『ごはん・お米とわたし』作文・図画コンクール」の各賞受賞者を決めた。来年1月15日にJAビル(東京都・大手町)で表彰式が行われる。
コンクールでは「ごはん・お米」にまつわる家族とのコミュニケーションなどの作文・図画を、小中学生を対象に募集した。将来を担う子どもたちに、ごはんやお米の大切さと農業について学んでもらうため、昭和51年から開催している。また第33回の作画コンクールからJAグループが推進する「みんなのよい食プロジェクト」の一環として取り組まれている。
応募数は、作文部門で5万4073点、図画部門で7万2043点。各都道府県での審査を経て、11月25日にJAビルで全国審査会が行われ、内閣総理大臣賞などが決まった。
◆母親の愛情 おにぎりに
内閣総理大臣賞・作文部門を受賞した植田真帆さんの作品(本文下参照)は、母親から娘への確かな愛情と温かな視線が感じられる。講評でも、友人と喧嘩をして泣いて帰宅した作者におにぎりを渡した母親の情景が母親と子の愛情を感じさせた作品である点が評価された。
また同賞・図画を受賞した徳永聖弥さんの作品は、つきたての餅のおいしさを巧みに描き表した点が特に評価され、あたたかな家族の情愛が伝わると講評された。
内閣総理大臣賞受賞作品
「お母さんのおにぎり」植田真帆
広陵町立真美ヶ丘第二小学校(奈良県)3年
お母さんの料理の中で一番すきなのは、おにぎりです。わたしがそう言うとお母さんは、
「ほかにも色々作ってるのに...。」
と言っていやがります。でも、カレーやおでんもいいけれど、一番はおにぎりです。なぜなら、食べると元気がでるからです。
わたしは、大親友と大げんかした時、学校からの帰り道、ずっと息を止めながら帰りました。心がもやもやして、苦しくて、息をするとなみだが出てくるからです。げん関を開けると、いつもみたいに、
「おかえり。手あらいうがい。」
と言うお母さんの声がしました。でも、わたしは、だまってまだ息を止めていました。そしてソファーにすわったとたん、なみだがポロポロ出てきて、気づいたらワーワーないていました。お母さんは平気な顔で
「おなかすいたやろ。はい。」
と言っておにぎりを二つお皿にのせて持って来ました。わたしは、おなかなんかすいてるはずないのに、おにぎりを見たとたんおなかがグーとなりました。一口食べたら、さっきまで苦しかった心が少し楽になり、息がしやすくなりました。お母さんはわたしが食べているのを見てニコニコしていました。人がないているのに、なぜわらっているのかなと思いました。おにぎりを食べ終わるとふしぎな気持ちになりました。空っぽだったのは、心だけじゃなく、おなかもだったのかなと思いました。わたしは友だちにあやまろうと思いました。
よく、お母さんはわたしに元気がない時やつかれた時は、自分のかばんの中からラップにつつんだおにぎりを出します。いつもおにぎりを持ち歩いているのかなとおかしくなります。
お母さんのおにぎりは、ふしぎなおにぎりです。食べるとすぐに元気が出るからです。
各賞の受賞者は以下の通り(敬称略)。
【内閣総理大臣賞】
▽作文「お母さんのおにぎり」 広陵町立真美ヶ丘第二小学校(奈良県)3年 植田真帆
▽図画「つきたてのおもちは最高」 宇陀市立榛原西小学校(奈良県)6年 徳永聖弥
【文部科学大臣賞・作文】
▽「『ある日の夕ごはんの思いで』」 気仙沼市立鹿折小学校(宮城県)2年 小野寺花純
▽「白いご飯に願いを」 常総市立岡田小学校(茨城県)5年 梅澤花怜
▽「米から始まる」 千葉県立船橋夏見特別支援学校中学部(千葉県)3年 大須賀一樹
【文部科学大臣賞・図画】
▽「おもちペッタンペッタンコ」 品川区立立会小学校(東京都)3年 臼杵騰吾
▽「ばあちゃんは赤飯名人」 常総市立岡田小学校(茨城県)5年 稲見奈桜
▽「お米と私」 豊前市立千束中学校(福岡県)3年 後小路浩太
【農林水産大臣賞・作文】
▽「さい後の昼ごはん」 岡山市立妹尾小学校(岡山県)3年 竹内恒瑛
▽「『八月二十五日の田んぼ』」 桜井市立桜井南小学校(奈良県)6年 吉中涼
▽「母の願いとぼくの願い」 南足柄市立南足柄中学校(神奈川県)1年 大野藍丸
【農林水産大臣賞・図画】
▽「お米がとれたよ」 西予市立野村小学校(愛媛県)3年 井上尚悟
▽「上手に出来たかまどごはん」 上三川町立上三川小学校(栃木県)6年 星心和
▽「田植え」 伊勢市立港中学校(三重県)1年 田垣晴菜
【全国農業協同組合中央会会長賞・作文】
▽「『おにぎりは ばばのあじ』」 最上町立大堀小学校(山形県)1年 後藤天羽
▽「お米の未来と私」 砺波市立庄川小学校(富山県)6年 土居野心彩
▽「一粒の思いは重い」 私立宇都宮短期大学附属中学校(栃木県)2年 齋藤遼
【全国農業協同組合中央会会長賞・図画】
▽「おいしいごはん、いただきます」 菊池市立花房小学校(熊本県)3年 福島陽斗
▽「米作り」 高知市立一ツ橋小学校(高知県)6年 大崎涼夏
▽「夜を徹しての大鏡餅つき」 高松市立木太中学校(香川県)3年 岡田大聖
※吉中涼さんの「吉」、大崎涼夏さんの「崎」は正式には異体字です。
(写真)内閣総理大臣賞を受賞した徳永聖弥さんの作品「つきたてのおもちは最高」
(関連記事)
・ネパール地震被害で募金を現地で贈呈-全中の森永副会長ら (15.12.09)
・おせち料理は「手作り&購入」で 6割 JA全中の調査 (15.11.27)
・地区別JA組合長・会長会議を開催-JA全中 (15.11.24)
・今話題のジビエ料理試食会を開催 JA全中 (15.10.16)
・JA全国大会議案を決定-JA全中 (15.10.02)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(125) -改正食料・農業・農村基本法(11)-2025年1月18日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (42) 【防除学習帖】第281回2025年1月18日
-
農薬の正しい使い方(15)【今さら聞けない営農情報】第281回2025年1月18日
-
イタリアはラーメンブーム【イタリア通信】2025年1月18日
-
「一揆は対立ではなく連携へののろし」 この機逃せば農村消える 山形県の農家・菅野芳秀さん2025年1月17日
-
鳥インフルエンザ続発 愛知で国内30例目、千葉で31例目2025年1月17日
-
米の作況指数 「農水省発表マイナス5が新潟の実感」 新潟大・伊藤助教が指摘2025年1月17日
-
鳥インフル 米デラウェア州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月17日
-
令和6年度スマート農業アクセラレーションサミット開催 JA全農2025年1月17日
-
(418)日本初のグローバル化の功罪【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年1月17日
-
【JAトップ提言2025】有機農業で次代に活路 JA常陸組合長 秋山豊氏2025年1月17日
-
【JAトップ提言2025】環境と農業の両立に的 JA秋田中央会会長 小松忠彦氏2025年1月17日
-
生産者にZ‐GIS活用講習会 JA全農2025年1月17日
-
JA広報大賞 JAふくしま未来に決定 JA全中2025年1月17日
-
農業界特化就活フェア「あぐりナビ就活FES.」東京、大阪で開催 アグリメディア2025年1月17日
-
「2024年度 GAPシンポジウム」開催 日本生産者GAP協会2025年1月17日
-
適用拡大情報 殺虫剤「ベリマークSC」 FMC2025年1月17日
-
適用拡大情報 殺虫剤「ベネビアOD」 FMC2025年1月17日
-
日本生協連「くらしと生協」包丁研ぎの魅力を伝えるアニメ動画を公開2025年1月17日
-
東大阪農業PR大使・シャンプーハットてつじ密着取材「ピカッと東大阪」で公開2025年1月17日