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最優秀賞に畠さん(JA兵庫六甲)JA営農指導実践全国大会2018年2月26日

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・JA全中

 JA全中は2月22日、東京都内で平成29年度JA営農指導実践全国大会を開き、全国8ブロックの代表の8人が、産地づくりや技術普及など、それぞれのJAの営農指導の取り組みを報告した。この結果、優れた成果をあげた営農指導員として、兵庫県JA兵庫六甲三田営農総合センターの畠一希営農相談員を最優秀賞に選んだ。また今回、特に優れた事例として大分県JAおおいた営農部園芸課の水内勇係長に審査委員特別賞を贈った。全国から営農指導員ら約300人が参加した。

◆チラシの効果最大に

最優秀賞を受賞する畠さん 最優秀賞のJA兵庫六甲の畠さんは、「黒大豆枝豆ができる三田の農業を守る3つのこと」で発表。同JAは、水稲に次ぐ第2の基幹作物として、古くから栽培されている黒大豆枝豆に着目。栽培方法、収益などをまとめたチラシを作り、420件の新規栽培を呼びかけた。これに52名(集落営農組織5組織を含む)が応じ、栽培面積が8ha拡大した。平成29年現在、160人が30.5haを栽培する。27年対比でそれぞれ36%、49%と急ピッチで伸び、JAの販売高は58%アップし、約2800万円になった。
 このような成果をあげたポイントは、(1)経営の"見える化"による生産拡大で集落を守る、(2)生産拡大からつなげる販売強化、所得拡大で農業を守る、(3)支店を拠点に准組合員と集落をつなぎ、人を守るという3つのキーワードにある。営農相談チームによるチラシの作成はその一つで、黒大豆枝豆の出荷形態・規格別販売状況など「1枚のチラシで経営のすべてが分かるようにした」という。
 また生産拡大では、高齢者の負担が大きい夏場の防除作業をJAの出資法人が引き受け、品質・出荷量の安定につなげた。販売では新たな販売パートナーとして、「准組合員向け限定セット」を企画し、准組合員のメリットを視野に入れた取り組みを実現。さらに同JAには約9万人の准組合員がいるが、この准組合員と集落・正組合員との結びつきをつくるため、黒大豆枝豆のオーナー制度を提案し、金融支店も巻き込んで、収穫作業や食農教育を実施した。
 審査委員長の農業・食品産業技術総合研究機構の丸山清明・元理事は「生産と購入を呼びかけるチラシの効果が大きい。黒大豆枝豆を通じて食農教育を行い、地域の活性化につなげた」と評価した。

(写真)最優秀賞を受賞する畠さん

 

◆GAPを分かり易く

審査委員特別賞の水内さん 審査委員特別賞のJAおおいたの水内さんはJA大分のGAPを活用した販売戦略の構築で、県1JAの強みを活かし、部会ごとでなく、統一の団体として「JAおおいたGAP研究会」を立ち上げた。農薬の不適正使用を防ぐとともに、販売先からの要請もあって取り組んだが、もっとも気を遣ったのがGAP取り組みに向けた生産者の合意づくり。
 理解を得るため、「難しい言葉・資料を使わず、また、なるべく現状のやり方を活かすように努めた」と言う。高齢者が多いことから、マニュアルの文字は大きくするなど細かい配慮をした。
 現場指導でも、生産者の自主性を重視し、第1に農場・倉庫等の片付けと整理整頓を働きかけ、改善が必要なことを伝えるとき、『こうしろと言われた』とならないよう注意した。「なによりも自分で考え、自分で判断するようにすることが重要」と指摘。こうした地道な取り組みの結果「気がついたらJGAP団体認証を取得できていた」と水内さん。
 丸山審査委員長は「GAP取得はめんどうなものと受け止められがちだが、それを粘り強く説得して生産者ぐるみ取り組んだところがすばらしい」と評価した。

(写真)審査委員特別賞の水内さん

 
 なお、ほかの6人の発表者には優秀賞が贈られた。受賞者は次の通り。(敬称略)
▽青森県JA相馬村農業振興課・三上拓哉
▽茨城県JAなめがた営農経済部・金田富夫
▽富山県JAいなば営農部営農生産課・高田祐輔
▽三重県JA鈴鹿営農部営農指導課・清水由雄
▽島根県JAしまね出雲地区本部東部営農センター・槇野直人
▽高知県JAとさかみ営農総合センター営農経営指導課・柴田恭佑

 

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