宮城の3法人がグローバルGAP取得-JA全農みやぎ2018年4月25日
・JAグループ支援事業で初の団体認証
・GAPの意義と課題
JA全農みやぎは4月20日、宮城県内の3法人(2農場)が農産物の国際認証規格の1つであるグローバルGAP(GLOBAL G.A.P)の団体認証を取得したと公表した。これは「JAグループGAP第三者認証取得支援事業」として初めての事例となった。
(写真)グローバルGAPの団体認証を取得した(株)やまもとファームみらい野の施設
宮城県内でトマトを生産する(有)サンフレッシュ松島、マキシマファーム(株)、(株)やまもとファームみらい野の3法人(前2法人は経営者同一のため2農場)が3月に団体認証を取得した。
3法人はそれぞれJA仙台とJAみやぎ亘理の管内にあり、JAの域を超えて複数の大規模法人が認証取得の意向を示したことからJA全農宮城県本部が団体認証事務局を担当した。
これらの法人は震災復興に向けて高軒高施設を導入し高品質、多収量のトマト生産に取り組んできた。
宮城県本部によると、やまもとファームみらい野(写真)はトマトの夏越し品種栽培で全国に例がない10a50t生産を実現しているという。さらなる復興に向けて収量向上を追求しようとしており、今まで以上に「ハウスの適正管理が必須」(県本部TAC支援課)となるが、それには「よき農業」の実践を証明するグローバルGAP取得へのチャレンジがふさわしいと判断。県本部の担当職員も全国本部のサポート得てグローバルGAPの指導員となり、各農場とともに29年度内取得をめざし必要な取り組みを行ってきた。
GAP認証は取得しても毎年更新が必要になるが、県本部によると、各農場の正従業員はもとより、パートタイム従業員などにも農場内での適正な作業、行動などについての意識が高まり、「労働生産性が向上し収支改善、さらなるトマトの品質向上につながる」と農場経営に好循環をもたらす取り組みとして期待されているという。
県本部が窓口となって団体認証を取得したことにより、今後、宮城県内のトマト生産者がこの輪に加わり提供できるGAP認証取得品が増えれば販路開拓に強みが発揮できるとして県内の大規模法人に参加を呼びかけていくことにしている。
JAグループは29年5月から第三者認証を必要とするGAPの団体認証取得をめざす産地に対してJA全中、JA全農、JA共済連、農林中央金庫が共同で「JAグループGAP第三者認証取得支援事業」を始めている。
グローバルGAPは、国際的な食品安全マネジメント管理によってフードサプライチェーン全体の安全性を向上させるための取り組みを行っているGFSI(The Global Food Safety Initiative)が承認している国際規格。欧州を中心に80カ国以上で実践されているGAPの世界標準。「食品安全」、「環境保全」、「労働安全」、「人権保護」という「見えない価値」を「見える化」して伝えることができる取り組みとされる。
(写真をクリックすると大きな写真が表示されます。)
(関連記事)
・【インタビュー・立石幸一JA全農参事】GAPに取り組み選ばれる産地に(18.04.09)
・グローバルGAP取得を支援 アグロ カネショウ(18.02.13)
・コウノトリ育むお米がグローバルGAP取得 JAたじま(18.01.30)
・サツマイモを北米に 焼き芋戦略拡大(18.01.22)
・グローバルGAP取得の新米を大手町で JAグリーン近江(17.11.01)
・五所川原農林高校の挑戦 日本の農業を世界につなげる(前半)(17.10.31)
重要な記事
最新の記事
-
【人事異動】JA全農(2025年1月1日付)2024年11月21日
-
【地域を診る】調査なくして政策なし 統計数字の落とし穴 京都橘大学教授 岡田知弘氏2024年11月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】国家戦略の欠如2024年11月21日
-
加藤一二三さんの詰め将棋連載がギネス世界記録に認定 『家の光』に65年62日掲載2024年11月21日
-
地域の活性化で「酪農危機」突破を 全農酪農経営体験発表会2024年11月21日
-
全農いわて 24年産米仮渡金(JA概算金)、追加支払い2000円 「販売環境好転、生産者に還元」2024年11月21日
-
鳥インフル ポーランドからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
鳥インフル カナダからの生きた家きん、家きん肉等の輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
JAあつぎとJAいちかわが連携協定 都市近郊農協同士 特産物販売や人的交流でタッグ2024年11月21日
-
どぶろくから酒、ビールへ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第317回2024年11月21日
-
JA三井ストラテジックパートナーズが営業開始 パートナー戦略を加速 JA三井リース2024年11月21日
-
【役員人事】協友アグリ(1月29日付)2024年11月21日
-
畜産から生まれる電気 発電所からリアルタイム配信 パルシステム東京2024年11月21日
-
積寒地でもスニーカーの歩きやすさ 防寒ブーツ「モントレ MB-799」発売 アキレス2024年11月21日
-
滋賀県「女性農業者学びのミニ講座」刈払機の使い方とメンテナンスを伝授 農機具王2024年11月21日
-
オーガニック日本茶を増やす「Ochanowa」有機JAS認証を取得 マイファーム2024年11月21日
-
11月29日「いい肉を当てよう 近江牛ガチャ」初開催 ここ滋賀2024年11月21日
-
「紅まどんな」解禁 愛媛県産かんきつ3品種「紅コレクション」各地でコラボ開始2024年11月21日
-
ベトナム南部における販売協力 トーモク2024年11月21日
-
有機EL発光材料の量産体制構築へ Kyuluxと資本業務提携契約を締結 日本曹達2024年11月21日