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【JA人づくり研究会】准組合員もJAの組合員 2018年5月28日

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・地域農業の応援団に
・運営への参加・参画探る

 JAや連合会、中央会の常勤役員などでつくる「JA人づくり研究会」(代表=今村奈良臣・東京大学名誉教授)は5月16日、東京都千代田区のJAビルで第30回研究会を開き、JAの准組合員問題をテーマに議論した。神奈川県のJAはだの、京都府のJAにのくにの取り組みをもとに、JAにおける准組合員の位置付け、JA運営への参画の方法等について意見交換した。

准組合員問題で討議する「JA人づくり研究会」(写真)准組合員問題で討議する「JA人づくり研究会」

 

仲野隆三氏 JA自己改革との関係で、国によるJAの准組合員の利用規制を検討するという姿勢や、JAグループ自らが制度のあり方を提案すべきだとの提案がある中で、研究会は、これを喫緊の課題として、「正面から向き合い、今後の対策を考えなければ解決策は見出し得ない」としてテーマに掲げた。
 この趣旨で問題提起した同研究会の仲野隆三副代表は、(1)JAの自己改革が組合員に十分に浸透していない、(2)正組合員と准組合員の比重が逆転し、今後も准組合員の事業利用割合が増えると予想される。(3)組合員(正・准)加入に際し、出資者に協同組合の意義や権利と義務が説明されていないことを検討課題に挙げた。
 さらに現在のJAの問題点として、組合員の営農状況をしっかりと把握できていたか。また、准組合員は申請書類と出資金を出せば事業を利用できるため、JAにとって事業利用だけが目的となっていないか。この結果、「顔の見えない組合員」が増えているのではないか、などと指摘した。
 その上で、JAのとるべき准組合対策は、(1)農業参入を支援する、(2)組合員の農業支援を行う、(3)農地所有の下限面積要件を緩和するなどを挙げる。

(写真)仲野隆三氏

 

◆広報と組織化が鍵

小林元 氏 現場の取り組みでは、小林元・広島大学助教が報告。同助教は、准組合員を一括りできないという問題の難しさを指摘する。農村地域、中山間地域、都市近郊地域、大都市地域のほか、大小の規模、それに未合併の多い北海道と、それぞれ准組合員のおかれた状況が大きく異なる。
 その上で、いくつかの先進JAの取り組みの中から見えてきたこととして、准組合員の関わり方のステージ別の対応を挙げる。つまり、JAを「認識」することからスタートし、「利用」・「参加」・「参画」のステージであり、それに応じて、准組合員向けのセミナー、農産物直売所の利用、組合員組織への参加、准組合員総代の設置へと進む。
 ここでは「広報」と「組織化」が鍵になるという。初期段階は「JAを知ってもらう」ための広報活動による「マス」の対応であり、次第に「JAに積極的に関わる」という組織への参加・意思反映という「コア」の対応に"進化"することを意味する。
 同助教は、こうした手順を経て、「准組合員の実態を把握する」、「JAの役職員が准組合員対策の必要性を認識する」、「各JAが准組合員の位置付けを明確にする」の順で、この問題にアプローチすべきだと指摘した。

(写真)小林 元氏

 

◆正・准の区別なく

宮永均・JAはだの専務理事 実践報告したJAはだの特徴は、JA事業・活動の中で、正組合員と准組合員を区別しないところにある。つまり、准組合員対策は、そのまま正組合員対策であって、協同活動の中にどのように組み込んでいくかが重要というわけだ。
 具体的には、正・准組合員からの賦課金徴収、生産組合への准組合員の加入、総会、春と秋の座談会、組合員教育事業への参加、組合員全戸訪問、機関誌配布による広報活動など、正・准の区別なく行っている。平成28年度の同JAの組合員約1万4000人。このうち准組合員は約1万1000人で、全体の8割近くを占める。
 正・准組合員を問わず全戸訪問と機関誌配布によるJAについての「認識」、生産組合への「参加」、そして総会出席による「参画」と、小林助教の指摘する「組合員のJAへの関わり方」のステージを踏んでいる。
 特に同JAは組合員全員参加の総会方式を採用しているが、29年度総会では全出席者1465人で、うち准組合員が674人を占めた。准組合員に議決権はないが、議案審議で意見表明はできる。准組合員の参加が多い背景には、JAの基礎組織となる集落単位の生産組合に加入していることがある。
 同JAの宮永均専務は、「農業振興は食や地域に関連する人々とともにあることを明確にする。このためJAを農業者・農家で構成する組織から、農業者・農家および農業を支える准組合員等で構成する組織に転換する必要がある」と指摘した。

(写真)宮永 均氏

 

◆准組合員総代制で

迫沼満寿・JA京都にのくに専務 JA京都にのくには「准組合員総代」の設置をJAの定款に規定している。定数65名で、うち女性が22名。准組合員戸数の1%基準で支店ごとに配分し、任期は3年。議決権はないが、JA運動の理解者として総代会に出席し、要望や意見をJA運動に反映させることができる。
 地区別総代等懇談会などへの出席、総代研修会、組合員講座、組織・支店協同活動などへの参加・参画を促し、食・農の応援者から、コアとなるパートナーを育てることを目的とする。JA京都グループが推進している制度でもあり、「地域ぐるみで農地などの環境を守る協力体制の、昔も今も代わらない」、「正・准組合員を問わず、共に発展していく道筋を考える」といいう基本的な考えに基づく。
具体的には農産物直売所に消費者組織を設け管内特産物の送付、地元の農産物応援提起貯金、「営農サポーター」登録など、准組合員の食と農の応援者づくりを進めている。准組合員総代研修会出席者からは「JAの役割をもっと理解し、積極的に活動に参加したい」、「准組合員の利用規制には反対、一定の権利付与も必要」、「過疎・高齢化の地域では、JAの存在や協同の力が重要」などと、JAへの理解が深まっている。
同JAの迫沼満寿専務は、「JAは創設から70年経過し、今まさに転換のときだ。組合員の期待は大きく、改革の道筋をどう立てるかが問われている。職員の運動者としての意識改革と行動改革、役員の熱い想いと高い理想、明確な姿勢と適切な判断力が求められている」と
改革への心構えを強調した。

(写真)迫沼満寿氏

 

◆問題は正組合員に

 ディスカッションでは、准組合員の参加・参画が進んでいるJAから「正組合員が准組合員を必要としているかが問題。准組合員問題のキーワードは正組合員にある」、東北の水稲中心のJAからは「正組合員は准組合員を意識しておらず、応援団、パートナーとして積極的に関わっていく必要がある」などの発言があった、また「離農した農家組合員との関係をどう維持していくか。認定農業者も農協から離れている」と、准組合員よりも、正組合員のあり方を問題にする意見もあり、准組合員問題の難しさを示していた。

 

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