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第29回JA人づくり研究会 JA改革、各地で着実に(前半)2018年2月9日

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 JAグループの常勤役員・参事などを会員とする「JA人づくり研究会」は1月18日、東京・大手町のJAビルで第29回の研究会を開き、「真のJA自己改革にむけたJA経営の今後のあり方を探る」のテーマで実践報告とディスカッションを行った。全国のJAから組合長ら約40人が参加。JA人づくり研究会の仲野隆三副代表が問題提起し、JC総研の西井賢悟主任研究員の現場レポート、JA福岡市の宗欣孝専務理事と静岡県JAみっかびの後藤善一代表理事組合長が実践事例を報告した。(2氏の「実践事例」は後半に掲載しています。)

販売と地域活動を軸に
先進事例のJAから学ぶ(前半)

写真右から、JA人づくり研究会の仲野隆三副代表、JC総研の西井賢悟主任研究員、静岡県JAみっかびの後藤善一代表理事組合長、JA福岡市の宗欣孝専務理事(写真右から)JA人づくり研究会の仲野隆三副代表、JC総研の西井賢悟主任研究員、静岡県JAみっかびの後藤善一代表理事組合長、JA福岡市の宗欣孝専務理事

  

【問題提起】仲野隆三 氏
経営体ごとの指導を 総代選出方法検討も

仲野隆三・JA人づくり研究会副代表 テーマについて、JA人づくり研究会の仲野隆三氏が課題を提起。同氏は「組合員からすると、JAは合併によって、事業拠点の統廃合など効率性を優先した経営が目に映り、営農経済事業は機械施設などハード事業整備に重点をおいてきたため、専門性の高い営農指導員や変化するマーケットに対応した販売開発担当者などソフト的な人材育成の取り組みの遅れが目立つ」と指摘した。
 その上で、「組合員の営農形態も従来の組織共販から、組合員(経営体)が販路を選択できる複線型共販や契約取引など、戸別経営体の経営改善などが喫緊の課題」と指摘し、自己改革でJAが取り組むべきことを挙げた。
 そうした取り組みの事例として、組合員の資本ででんぷん工場をつくった北海道のJA士幌町、イ草からキャベツ、ブロッコリー、レタス、トマトの野菜産地に転換した熊本県のJAやつしろの取り組みを紹介。両JAとも組合員を一人ひとり説得して理解を求め、農業所得の増大につなげた。
 このような改革に総代と理事の役割は欠かせない。しかし、合併で規模が大きくなると「JAが見えない組織運営になっているのではないか」と疑問を投げかけ、「総代をどのように決めるかから始めないと、組合員の本当の声を聴くことができない」と、選出方法についての検討も必要だとした。

 


【現場レポート】西井賢悟 氏
運動としての調査に 農協法の改定も視野

西井賢悟・JC総研主任研究員 JC総研の西井賢悟氏は、「JA自己改革に向けた取り組み実態と課題」でレポート。この中でJAグループが平成31年4月に実施する全組合員アンケート調査に触れ、「運動としての調査」であるべきだと指摘する。そもそも自己改革を知らない職員が多いなかで、訪問してアンケートしても実質的な意味をもたない。反省なき調査は自己改革に賛成している組合員の反発を招くとして、「組合員訪問を通じて、まずは組合員の声を大切にする姿勢を示し、JAが力を入れている取り組みを徹底的に伝える必要がある」という。
 その例としてJA広島中央の取り組みを紹介する。同JAは理解促進と意思統一のため全職員へ自己改革アンケート実施した。改革についての認知度の低い臨時職員や流通関係の職員には研修会を開くなどで、情勢・危機感の共有を図った。同氏はこれを「自己改革の魂を入れる取り組み」と言う。
 また、JA自己改革について、その評価はJAと認定農業者との間で大きな開きがあることを指摘する。農水省による29年度の調査では、「農産物販売事業の見直し」について、JAは87・7%が「具体的に取り組みを始めた」と回答しているが、同じように評価している認定農業者は32・2%に過ぎなかった。
 同じく、改革でJAがメインに挙げる「生産資材購買事業の見直し」、「組合員との話し合い」も、ほぼ同じ傾向が見られ、認定農業者の評価が低い。西井氏は、「この結果を国はどうみるか。だから農協改革が必要だと言うだろう」と、政府による強制的な改革を懸念する。
 またJAグループの自己改革で国と大きく異なるところとして同氏は、地域の活性化と、JAグループが掲げている組合員のアクティブメンバーシップの確立の取り組みを評価する。特にJC総研の組合員アンケートをもとに、(1)農業に関わりのある「担い手経営体」、「中核的担い手」の組合員ほどJAへの理解が深い、(2)特に「多様な担い手で販売あり」と「同販売なし」の組合員の差が大きい、(3)営農の事業利用は「中核的担い手」より「担い手経営体」の方が低い、(4)「多様な担い手で販売なし」の正組合員のJAへの好意度が、准組合員より低い、(5)高齢になるほど好意度が低下することを指摘。
 このことは「JA離れが進み、経営基盤が揺らいでいることであり、好意度が薄れたまま組合員であることを終える人が多いことは大きな問題。きちんとした対策を立てることはメンバーシップを高めることにつながる」と、次世代の子どもたちにJAを伝えるべき高齢者の関心の薄さによる影響を心配する。この対策として同氏は長野県JA松本ハイランドの高齢者対象の「はつらつ大学」を例に挙げ、農業体験や栽培技術講座へ参加する機会を設け、早急に高齢者の生きがいの場づくりに取り組むべきだとした。
 ただ、全組合員調査で最大限の評価を得て、総合事業体の解体を阻止し、准組合員制度を堅持したとしても、「議論は再燃するだろう」と見る。その根拠に農協法1条の「農業生産力の増進および農業者の経済的社会的地位の向上を図り、もって国民経済の発展に寄与することを目的とする」を挙げる。
 国の農協改革に対抗するには、「農を基軸とする地域協同組合」の確立が必要で、法律の改正も含め、「准組合員は不特定多数の顧客ではない。准組合員を組合員とする実態づくりに取り組むべきだ」と、法律改正も視野に入れた改革について問題提起した。

 

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