今年度の全農自己改革の重点的課題2018年7月30日
7月26日の総代会後の記者会見で、長澤豊経営管理委員会会長は、この間の全農の「自己改革」について「逆境にはあるが、真の全農の真価を発揮してここまで来たのかなと思う」語り、神出元一理事長は「確かな手応えを感じている」と答えた。そのうえで、今年度の重点的取り組み(別掲)とそれを踏まえた来年度からの次期3か年計画策定に向けた基本的な考え方を示した。その重点課題は次の通りだ。
◆実需者ニーズに応えた販売を実施
販売事業の重点課題は次の通りだ。
米穀事業では30年産米で実需者直接販売125万t、買取販売50万t達成に向けて、▽主食用米適正生産量735万t達成や水田活用米穀等の需要に応じた生産推進、▽業務用米などの拡大に応える実需者ニーズにもとづく多収品種等の作付提案・契約販売の拡大、▽実需者との事前契約時期の早期化や量的拡大などの取り組みを進めていく。
園芸事業では、引き続き直接販売実績3300億円達成に向けて、▽29年度に業務提携契約を締結した中外食サプライヤーとの国内契約産地づくり、物流合理化、共同商品開発等実施、▽輸入野菜の国産への置き換えを目的にキャベツ・ブロッコリー・レタスなど加工・業務用野菜を中心とした生産振興とパートナー企業と連携した収穫支援など農業労働力支援の取り組み拡大を実施する。
また、新設した営業開発部およびフードマーケット事業部を牽引役に、全農グループ一体となり国産農畜産物の販売拡大に取り組んでいく。その一環として既報JA全農が日本フードサービス協会と事業連携のように外食産業の団体である(一社)日本フードサービス協会との事業連携による国産農畜産物の安定的な販売・流通の仕組みの構築や、JAグループの生産・流通基盤を活かした新たなeコマース事業の構築に取り組んでいくことにしている。
(写真)長澤豊経営管理委員会会長
◆生産資材は銘柄集約や物流合理化促進
生産資材事業については次のような取り組みを行うとしている。
肥料事業は、29肥料年度春肥からスタートした新たな共同購入で高度化成・NK化成を大幅に銘柄集約し、事前予約を積み上げブロック単位での入札でおおむね1~3割価格引き下げを実現したが、▽30肥料年度秋肥からは普通化成一般・苦土入り高度化成を対象に拡大(約150銘柄を7銘柄に)し、併せて547銘柄を25銘柄に集約し、事前予約を積み上げ入札で価格を決定する。▽物流合理化を促進しトータルコスト低減を目指していく。
農薬事業では、▽担い手直送規格を11品目から29品目に拡大し、全JAで取り扱うことで8万haの普及(29年度は318JA、5万3400ha)を目指す。▽北部九州広域物流センターの供給体制が北部九州4県に拡大したが、30年度は中四国広域物流センターの開設を予定しているほか、他のブロックでも広域物流センター構想の検討をすすめていく。
飼料事業でも、これまでJA西日本くみあい飼料(株)が倉敷新工場を稼働し、製造移管をすすめているほか、ホクレンくみあい飼料(株)を全農の子会社とすることで、ホクレン扱い配合飼料価格の引き下げを実現してきたが、引き続き▽飼料工場集約・再編等の取り組みを、港湾・地域別の立地・老朽化の状況を踏まえて、他メーカーとの連携を含めて検討していく。▽穀物集荷を担うCGB社の内陸集荷拠点の拡充に取り組む。▽30年度は300銘柄を目標にさらなる集約を検証し、供給体制の合理化に取り組んでいくとしている。
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