JAの活動:第3回全国集落営農サミット
【第3回全国集落営農サミット】基調講演 理想郷づくりの実践運動 目標に「子どもが増えた」も2018年12月27日
・農山村地域経済研究所楠本雅弘所長
基調講演は「集落営農の持続的発展のために」と題して農山村地域経済研究所の楠本雅弘所長が行った。
楠本氏は集落営農の「原点の再確認」が喫緊の課題と指摘する。集落営農組織はとくに品目横断政策に対応するため、政策対象となるよう要件を整備した組織も多い。農政も集落営農を大規模・効率的・法人経営の一形態として位置づけて低コスト生産機能のみ評価している。「この路線は中山間地域の活性化には無効。平野部でも総離農・脱農につながりかねない」と批判する。
楠本氏は集落営農は地域住民による「地域環境の維持・保全の協同」、「生産の協同」、「暮らしの協同」を結合した社会的協同経営体であるとして、地域で持続的に運営される理想郷づくりに向けた実践組織だと位置づける。
持続のための法人化は必要だが、地域ビジョンの実践組織であるという精神を忘れると「単なる大規模経営」になってしまう。
ただし、経営計画は必要で計画的な農地集積と栽培計画、必要な労働力の確保と組合員への還元などの現状点検から計画立案、その見直しを行い続ける必要がある。そして経営指標としては10a当たりの売上額を提唱する。これまで多数の調査から10a当たり売上額が10万円以下の場合は、「農地を守るという段階」にとどまっており、25万円以上になると、経営の多角化が進み若い後継者を周年雇用できているという。そのほか米への依存度、地代支払率の推移、総会への組合員の出席率なども指標とすることも提唱した。
ただ、集落営農は金銭で計れるもの以外に耕作放棄が解消されて景観がきれいになったり、お祭りが復活した、若い人が戻ってきたなど経営実績には反映されない価値も生み出す。そうした価値に注目すると「15歳以下の子どもの数が増えたかどうか」も集落営農の目標にしてもいいのではないかと楠本氏は提起した。
(第3回全国集落営農サミット関連記事)
・【第3回全国集落営農サミット】地域農業の持続へ 経営戦略の策定を(18.12.27)
・【経営戦略・経営計画】何のための集落営農か? 経営理念とビジョン大切(18.12.27)
(その他の関連記事)
・水田作など法人経営、所得増加 農水省(18.12.25)
・集落営農の経営支援へ 県域に連絡協議会設置 -JA自己改革の一環(16.06.17)
・集落営農の6割で後継者確保が課題 農水省統計(15.07.02)
重要な記事
最新の記事
-
米 推計19万tが分散して在庫 農水省調査2025年3月31日
-
【人事異動】農水省(4月1日付)2025年3月31日
-
【注意報】さとうきびにメイチュウ類西表島、小浜島で多発のおそれ 沖縄県2025年3月31日
-
【注意報】かんきつ、びわ、落葉果樹に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 静岡県2025年3月31日
-
農業は恰好いいと示したい トラクターデモに立った農家の声 「令和の百姓一揆」2025年3月31日
-
4月の野菜生育状況と価格見通し 果菜類、ほうれんそう、レタスなどは平年並みへ 農水省2025年3月31日
-
農林中金 総額6428億円の増資を実施2025年3月31日
-
25年産米「概算金のベース」 あきたこまち60キロ2万4000円 全農あきたが情報共有2025年3月31日
-
「農山漁村」インパクト可視化ガイダンスなど公表 農水省2025年3月31日
-
北アルプスの水と大地が育む米「風さやか」使用 ツルツル食感の米粉麺はスープも含めグルテンフリー JA大北2025年3月31日
-
特産の小松菜をバームクーヘンに 試食した市長も太鼓判 JAちば東葛2025年3月31日
-
三鷹キウイワイン 市内のキウイ使った特産品 JA東京むさし2025年3月31日
-
地域の営農継続へ JA全国相続相談・資産支援協議会を設置 JA全中2025年3月31日
-
中央支所担い手・若手農業者研修会を開く JA鶴岡2025年3月31日
-
全国の農家へ感謝と応援 CM「Voice」フルバージョン配信開始 JA全農2025年3月31日
-
セメント工場排ガスから分離・回収した二酸化炭素の施設園芸用途 利用へ取組開始 JA全農2025年3月31日
-
カナダで開催の世界男子カーリング選手権 日本代表チームの食事をサポート JA全農2025年3月31日
-
JA鶴岡「もんとあ~る」dポイント加盟店に 4月1日からサービス開始2025年3月31日
-
JA全中「健康経営優良法人2025」に認定2025年3月31日
-
「佐賀牛 生誕40周年記念キャンペーン」開催中 数量限定40%OFF JAタウン2025年3月31日