【TPP】日本の雇用7万4000人減-米の大学が試算2016年1月28日
米国の大学がTPPで日本のGDPは減るとの試算を発表している。
米国のタフツ大学(マサチューセッツ州)が試算した。それによると日本のGDPはTPP協定によって、この協定がなかった場合よりも10年間で0.12%低下し、雇用は7万4000人減少すると推定されている。
米国もGDPが0.54%低下し44万8000人の雇用がなくなるとの推定結果で、カナダ、豪州、NZも失業者数が増えるとしている。
TPPに関する日本政府の試算では、GDP増加率は2.6%、約14兆円と見込み、雇用も80万人増えるとしている。
しかし、東京大学の鈴木宣弘教授は政府試算の問題点として、▽価格が1割下がれば生産性は1割向上するとする「生産性向上効果」、▽GDPの増加率と同率で貯蓄と投資が増えるとする「資本蓄積効果」、▽農業で失業しても農家が自由に自動車産業の仕事に就けるというような生産要素の「完全流動性」と「完全雇用」という仮定など、「恣意的な仮定」のもとでの試算だと批判している。鈴木教授はそれらを排除して試算したところ、農林水産物の生産減少額は1兆円を超え、GDPを0.36%押し下げ全産業で約76万人の雇用減少が見込まれるとの結果を公表している。
今回の米国タフツ大学の試算も生産性向上効果や資本蓄積効果、完全雇用など過度の仮定を排除して試算されたもの。豪州、カナダなどでGDPは若干増加するが、失業者が増えるという試算結果が示された。
(表)米国タフツ大学の試算
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