ため池が下流の被害軽減に貢献 農研機構2017年8月3日
九州北部豪雨によるため池に関する現地報告書
農研機構は、7月に発生した九州北部豪雨被害への技術支援の一環として、ため池等に関する現地調査を行い、このほどその調査結果を「平成29年7月九州北部豪雨による被災ため池等に関する現地報告書」としてまとめ公表した。
この調査は、福岡県朝倉市内の13カ所のため池について、九州農政局、福岡県と合同で実施された。
報告書によれば、流域で発生した土石流の影響や河川の浸食の影響で、一部のため池では決壊など重大な被害が発生したが、その一方で、上流からの土石流を池敷に貯留して下流の被害軽減に貢献したため池もある。
例えば、多くの被害が報告されている朝倉市山田地区の鎌塚ため池の場合、上流からの土石流や流木と、山の神ため池の決壊土砂が鎌塚ため池の貯水池に流入し、設計より高い貯水位となったが、決壊を免れた。貯水池や洪水吐下部には土砂や流木が大量に堆積しており、山田地区への土砂・流木の流入を大きく軽減したと考えられるとしている。
また、朝倉市杷木地区の梅ケ谷ため池では、上流の山腹から大量の土石流と流木が貯水池に流入したが、洪水吐の水路周辺の軽微な損傷にとどまり、ため池が砂防ダムの役割を果たし、下流の住宅などへの被害を大きく軽減したとしている。
このように、土砂を受け止めて下流の住宅への被害を軽減したと思われるため池が、今回の九州北部豪雨では複数存在したと、報告されている。
この調査報告書は、農研機構のホームページの
http://www.naro.affrc.go.jp/disaster20170705/files/survey_Report1.pdf
に公表されている。
(関連記事)
・ 発生農場 近隣ため池に水鳥-鳥インフル疫学調査(16.12.07)
・ 耐震不足ため池2400超-農水省の点検結果(16.09.05)
・ 防災重点ため池2000か所 農水省が一斉点検(14.09.02)
・ 保全と活用に向けて「ため池100選」候補を募集 -農水省(09.04.21)
・ 地震と洪水に強いため池の強化復旧技術を開発(08.06.20)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(126)-改正食料・農業・農村基本法(12)-2025年1月25日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(43)【防除学習帖】第282回2025年1月25日
-
農薬の正しい使い方(16)【今さら聞けない営農情報】第282回2025年1月25日
-
JAしれとこ斜里と連携 冷凍食品に本格参入 カルビー2025年1月24日
-
パーパスを実現する「地域」と「差別化」の意味 静岡で第4セッション【全中・JA経営ビジョンセミナー】(1)2025年1月24日
-
パーパスを実現する「地域」と「差別化」の意味 静岡で第4セッション【全中・JA経営ビジョンセミナー】(2)2025年1月24日
-
【JA女性組織活動体験発表】(4)私のやる気は無限大 JA・地域・女性会の仲間と共に 和歌山県 JA紀州女性会 椎崎ひろ子さん2025年1月24日
-
【JA女性組織活動体験発表】(5)人と人とをつなぐ架橋~フレッシュ16いつまでも~ 愛媛県 JA越智今治女性部 德丸和江さん2025年1月24日
-
【JA女性組織活動体験発表】(6)仲間との絆を次世代につなげよう 熊本県 JAやつしろ女性部 山住久美子さん2025年1月24日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】サツマイモを消せば世論が収まると考えたお粗末さ2025年1月24日
-
TNFDの環境開示は何から始めるか 農林中金と八千代エンジニヤリングがセミナー2025年1月24日
-
JPIセミナー 農産物の環境負荷低減の見える化とJ-クレジット制度 今後の方向性を解説2025年1月24日
-
鳥インフル 米アラバマ州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月24日
-
「農山漁村」経済・生活環境プラットフォーム 設立記念シンポジウム開催 農水省2025年1月24日
-
(419)芸能アイドルと「卒論」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年1月24日
-
福岡県産ブランドキウイフルーツ「博多甘熟娘」フェア 24日から開催 JA全農2025年1月24日
-
ブルボン×ニッポンエール「フェットチーネグミPREMIUM長野県産ぶどう三姉妹味」新発売 JA全農2025年1月24日
-
JAしれとこ斜里と原料ばれいしょの安定調達で連携 カルビーグループ2025年1月24日
-
「一村逸品大賞」受賞商品集めた特設ページ開設 JAタウン2025年1月24日
-
「素直な、おかか。かき醤油」 新発売 マルトモ2025年1月24日