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農業データ連携基盤協議会設立セミナー2017年8月23日

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農業データのプラットフォーム構築へ

 分散して存在する農業関連データを一元化し、農業生産性の向上や農業経営改善に役立てる環境(データプラットフォーム)の構築を目的に、8月22日に「農業データ連携基盤協議会」(WAGRI)の設立総会と記念セミナーが都内で開催された。

 これは政府の戦略的イノベーション創造プログラム「次世代農林水産業創造技術」の一環として取組まれているもの。


 現在、農業技術や農業生産資材など農業関連データは数多く公開されているが、この日のセミナーで講演した難波喬司静岡県副知事が指摘したように、農地関連の情報である「全国農地ナビ」と「水土里情報システム」のように、関連するデータが個別・分散して連動していないために、これらを汎用的に活用することができない。


 あるいは、農林水産技術会議の別所智博事務局長が認めているように、農薬の適用作物など登録データは公開されているが「PDF(画像)」ファイルのために、データの処理がしにくいということもある。


 香川県農業試験場府中果樹研究所の前所長・末澤克彦氏は、普及所やJAから大量の情報が農家に届いておりデータのボリュームは大きいが、デジタル化されていないので使いきれていないことも、現場に近い視点から指摘した。

 こうした状況を克服し、「データの力で日本農業を元気にする」と、この日WAGRIの会長に選任された神成淳司慶應大学准教授はこの協議会設立の意義を強調する。


 基調講演した上原宏秋田県立大学教授(WAGRI副会長)は、気象や土壌、市況などの公的データや民間企業のもつデータなどを蓄積して、地域を超えたビッグデータで生産者に役立つ汎用性の高いものにするとともに、農業は地域特性が強いので、「汎用的な農業ルール」に「地域特性を活かしたビジネスデータの蓄積」が大事だということを強調した。


 こうした問題を解決しさまざまなデータが「連動して共有されることで、高品質な農業生産が展開できる」(神成会長)ようにすることが、セミナーでは再三強調されていた。WAGRIでは、平成31年4月を目途に、データ連携機能やデータ提供機能を持つ「農業データ連携基盤」(データプラットフォーム)を構築し、本格提供を開始する予定にしている。

 また、8月22日現在の協議会会員は慶応義塾大学SFC研究所、井関農機やJA全農など24社となっている。


 具体的なプラットフォームの機能などについては明らかにされていないが、即、JAや担い手生産者が活用できるものができれば、素晴らしいことだといえる。


 なお、22日の記念セミナーには約400名が参加し、関心の高さがうかがわれた。


(関連記事)

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