TPP等関連政策大綱を改訂-政府2017年11月28日
政府は11月24日、TPP等総合対策本部でTPP関連政策大綱の改訂を決定した。
政府は2年前の平成27年11月に「総合的なTPP関連政策大綱」を決定したが、今回は今年7月に日EU・EPA協定が大枠合意したことから、それをふまえて新たな対策を追加した。大綱の名称も「TPP」を「TPP等」とした。
農業分野では新市場開拓の推進とともに「重要品目の再生産が可能となるよう、強い農林水産業をつくりあげるため万全の施策を講じる」とした。
具体的には日EU・EPAをふまえ、国産チーズの競争力を高めるため原料乳の低コスト、高品質化の取り組みの強化と、製造面でのコスト低減と品質向上、ブランド化を推進することを大綱に盛り込んだ。
また、和牛に加え、豚肉、鶏肉、鶏卵、乳製品などの重点品目ほぼすべてで輸出先国の関税が撤廃されることをふまえ、輸出条件の改善、国内の輸出環境整備などにも取り組む。
そのほかパスタ、菓子等の関税撤廃に関して、国境措置の整合性を確保するため小麦のマークアップの実質的な撤廃、引き下げを行う。また、菓子・パスタ製造業等を特定農産加工業経営改善臨時措置法に基づく支援措置の対象に追加するなどの対策も盛り込んでいる。
齋藤農相は「改訂された大綱に基づいて新たな国際環境の下で農林水産業を成長産業とするために必要な対策を補正予算を含めてきっちり対応していきたい」と述べた。
TPPについて日本は昨年の国会承認を経て今年1月20日、寄託国のニュージーランドに対し国内手続き完了の通報を行ったが、米国の離脱宣言で3月から米国以外の11か国でTPP早期発効を追求することに合意し、11月のベトナム・ダナンでTPP11が大枠合意された。
今回改訂された大綱では「このいわゆるTPP11は一貫してわが国が議論を主導、一定の規定を凍結したが、TPPのもつハイスタンダードを維持しバランスの取れた内容で合意した」との評価を盛り込み、日EU・EPAについても「攻めるべきは攻め、守るべきは守り国益の観点から最善の道を全力で追求してきた」とした。そのうえで政府はこの2つの合意は「世界的に保護主義的な動きが広がりを見せるなか、自由貿易の旗を高く掲げ続け、わが国が率先して世界に範を示すもの」と強調している。
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