農業水路の魚の棲みやすさを「見える化」2018年6月21日
・農研機構が新・評価プログラムを開発
農研機構農村工学研究部門(茨城県つくば市)は、農業水路の「魚の棲みやすさ」を点数(スコア)化する「魚の棲みやすさ評価プログラム」を開発するとともに、魚が棲みやすい水路を作るための簡便な改善方法をまとめた評価マニュアルを作成し6月20日、発表した。
水田への灌漑や排水だけではなく、農業水路は、魚類など水辺の生物の貴重な生息場所にもなっている。2001年改正の土地改良法では、そうした生態系を含む環境への配慮を求めており、農業水路の豊かな生物相を保全するための活動が全国各地で行われている。 しかし「対象水路が魚にとり棲みやすいかどうか」を判断する目安や改善方法などは、これまで明確に示されてこなかった。
(写真)ピンポン玉を用いた流速の簡易な測定手法
そこで、農研機構農村工学研究部門では、魚の生息環境を「流速・水深・植生」などの指標や魚類の「種数と総個体数」から、簡単・自動的に評価する「魚の棲みやすさ評価プログラム」を開発、魚の棲みやすさを5段階のスコアで「見える化」した。
さらに、評価したスコアから魚類の生息環境を改善するためのステップを示し、その具体的な手法や工法などの事例をまとめた「農業水路の魚類調査・評価マニュアル」を作成した。農研機構では、「魚の棲みやすさを『見える化』することが可能となり、環境保全活動に活用できる」と話している。
評価プログラムとマニュアルは、魚が棲みやすい農業水路を目指して ~農業水路の魚類調査・評価マニュアル~から入手できる。
(写真)マニュアルの表紙
(関連記事)
・農地の生物多様性を保全する新技術開発 農研機構(18.05.24)
・30年度農林予算 前年度比50億減の2兆3021億円確保(17.12.22)
・「地域」をブランドに 自然条件活かし少量多品目産地化【JA信州うえだ(長野県)】(後半)(17.11.09)
・ため池が下流の被害軽減に貢献 農研機構(17.08.03)
・「世界かんがい施設遺産」に 岩手県一関市など14施設登録(16.12.09)
・農業水路で小水力発電 工事簡単・小さな落差で発電可能(16.10.05)
重要な記事
最新の記事
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(3)病気や環境幅広く クリニック西日本分室 小川哲郎さん2025年9月18日
-
【全中・経営ビジョンセミナー】伝統産業「熊野筆」と広島県信用組合に学ぶ 協同組織と地域金融機関の連携2025年9月18日
-
【石破首相退陣に思う】米増産は評価 国のテコ入れで農業守れ 参政党代表 神谷宗幣参議院議員2025年9月18日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】協同組合は生産者と消費者と国民全体を守る~農協人は原点に立ち返って踏ん張ろう2025年9月18日
-
「ひとめぼれ」3万1000円に 全農みやぎが追加払い オファーに応え集荷するため2025年9月18日
-
アケビの皮・間引き野菜・オカヒジキ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第356回2025年9月18日
-
石川佳純の卓球教室「47都道府県サンクスツアー」三重県で開催 JA全農2025年9月18日
-
秋の交通安全キャンペーンを開始 FANTASTICS 八木勇征さん主演の新CM放映 特設サイトも公開 JA共済連2025年9月18日
-
西郷倉庫で25年産米入庫始まる JA鶴岡2025年9月18日
-
日本初・民間主導の再突入衛星「あおば」打ち上げ事業を支援 JA三井リース2025年9月18日
-
ドトールコーヒー監修アイスバー「ドトール キャラメルカフェラテ」新発売 協同乳業2025年9月18日
-
「らくのうプチマルシェ」28日に新宿で開催 全酪連2025年9月18日
-
埼玉県「スマート農業技術実演・展示会」参加者を募集2025年9月18日
-
「AGRI WEEK in F VILLAGE 2025」に協賛 食と農業を学ぶ秋の祭典 クボタ2025年9月18日
-
農家向け生成AI活用支援サービス「農業AI顧問」提供開始 農情人2025年9月18日
-
段ボール、堆肥、苗で不耕起栽培「ノーディグ菜園」を普及 日本ノーディグ協会2025年9月18日
-
深作農園「日本でいちばん大切にしたい会社」で「審査委員会特別賞」受賞2025年9月18日
-
果実のフードロス削減と農家支援「キリン 氷結mottainai キウイのたまご」セブン‐イレブン限定で新発売2025年9月18日
-
グローバル・インフラ・マネジメントからシリーズB資金調達 AGRIST2025年9月18日
-
利用者が講師に オンラインで「手前みそお披露目会」開催 パルシステム東京2025年9月18日