被災共同利用施設の再建支援-豪雨被害対策2018年8月9日
農林水産省は7月豪雨等で被災した農林漁業者の経営再建に向けて7月16日に支援対策を決定したが、8月2日に対策を追加した。被災した共同利用施設の再建にかかる費用などを助成する。おもな追加対策は以下のとおり。
災害関連資金の特例措置は▽農林漁業セーフティネット資金の貸付限度額を「600万円または年間経営費の12分の3」から「1200万円または12分の12」に引き上げ、▽同セーフティネット資金、近代化資金等の災害関連資金を実質無担保・無保証人で貸付け、▽集出荷施設が被災し出荷ができないなど間接的な被災者に同資金の貸付利子を貸付当初5年間、実質無利子化。
農業用ハウス、共同利用施設等の支援では、被災農業者向け経営体育成支援事業を発動し、ハウスや機械等の再建・修繕(災害復旧事業の対象とならない農業用ハウス等に流入した土砂の撤去を含む)の経費を助成する。補助率は10分の3から2分の1に引き上げ。(ただし、園芸施設共済の対象となる施設については共済加入の場合は共済金の国費相当額を合わせて2分の1、共済未加入の場合は10分の4)。
被災した集出荷施設、乾燥調製貯蔵施設、乳業工場、畜産物処理加工施設等など共同利用施設と、卸売市場等の再建・修繕や、再建の前提となる損壊した施設の撤去にかかる経費を助成する。
営農再開に向けた支援では被害果樹・茶の植え替えや、これによって生じる未収益期間に要する経費の助成に加え、果樹産地の継続・再生のための収穫物運搬や樹体保護に必要な費用を助成。また、樹園地の破損したパイプライン等の復旧に必要な経費も助成する。
また、農水省等から専門家が被災農業者を個別に訪問して農業経営の再開に向けた相談活動も実施する。
農業法人が被災農業者等を一時的に雇用して研修する場合に、被災農業者向け農の雇用事業により必要な経費を助成する。
農林水産関係の被害額は8月3日現在で2490億円となっている。昨年の九州北部豪雨による被害額は1100億円、一昨年の熊本地震による被害額は1700億円だった。今回は調査が進むにつれ、さらに被害額が増えることが見込まれる。
(関連記事)
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