日本はFMC農薬事業で戦略的な国2018年5月14日
・ベスウィン・トッドFMCアジア社長
エフエムシー・ケミカル(株)(以下、FMC)は、5月10日、東京・大手町パークビルに移転しその新オフィスでの営業開始に伴うオフィス披露と懇親会を開催した。
(写真)FMCケミカル新オフィスの内観(明るく開放的なオフィス内部、新オフィス入口)
FMCの新オフィスは、東京駅と地下鉄・大手町駅に地下道で直結するという大変便利な立地にあり、昨年で建設されたばかりの最新のオフィスビルである大手町パークビルにある。
オフィス内は広い通路に接して約40名の社員のデスクが配置されているが、周囲には会議や作業に使われる大きなガラスで仕切られたブース、さらに窓側には大阪などから出張してきた社員が仕事ができるように電源付の長テーブルなどが配置されるなど、現代的で開放感のある明るいオフィス空間となっているのが印象的だった。
新オフィス披露の後は、皇居に面したパレスホテルで新オフィスでの営業開始を祝うパーティーが和やかに開催された。
パーティーでは、ベスウィン・トッドFMCアジア社長・FMC Agricultural Solutionsアジア地域副社長(=写真)が、創業者であるジョン・ビーン氏が1883年に殺虫剤散布機を開発して以来のFMCの歴史と今日のFMCの事業のあり方について語った。
そのなかでトッド氏は現在のFMCは、農業分野とリチウム技術に特化した世界有数の企業だが、この二つの事業分野は性格が異なるので、明確に分離して事業展開していくとして「新生FMC農業製品事業部は、世界で5番目の農業製品事業の会社だが、農薬事業専門では世界で最大規模」と紹介、昨年デュポン社で開発・販売されてきた製品を買収したことで「さらに大きく成長していこうとしている」と語った。 また、トレイシー・ウーFMC中国社長・FMC AGS北アジア地域ビジネスディレクター・FMC AGSジェネラルマネージャー(=写真)が、アジアパシフィックでの新生FMC農業製品事業のあり方について次のように語った。
FMCはアジアパシフィック地域では、シンジェンタ、バイエルに次いで第3位にあるが「市場の2倍速での持続的な成長」をめざしていくとし、そのために▽成長が期待される独自製品、殺菌剤のライセンス・イン/獲得、新規有効成分、プラントヘルスに焦点を絞る、▽国ごとに合わせた成長戦略を策定しつつ、企業全体。地域規模においてソリューションを活用する、▽行政・産業・NGOと戦略的に連携することで成長の障害を取り除く、▽高いレベルでのコミットメント、勇敢さ、一体性を持ったチームをつくり組織としての信念を共有する、ことを掲げた。
その上で日本については、「アジアパシフィック地域の成功に重要な役割を担っている」とし、「北アジア地域は、世界で2番目に大きなビジネスユニットであり、成長が見込める重要な地域」であり、「日本は革新創造とパートナー企業との関係強化において戦略的な国」だと位置づけた。そして「日本には、すべての部署を設置し、生長を加速させるための強い基盤ができた」とも語った。 そしてこれらをベースに新しい戦略を立案し、強い組織、新しい文化を確立し、継続的に若い才能を育てていく、「新しいオフィス」がここだと結んだ。
両氏のスピーチをFMC農薬製品事業の後藤周司日本代表(=写真)が親しみやすい日本語で軽妙に通訳し笑いを誘うなどパーティーは和やかに進行し、これからFMCが日本市場はもとより北アジアでさらなる活躍をされることに確信を持たせるものだった。
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