キュウリ黄化えそ病に強いキュウリ 5年後実用か 農研機構2015年12月7日
農研機構は12月2日、キュウリ黄化えそ病に対して抵抗性を持つ「きゅうり中間母本農7号」の育成について公表した。
キュウリ黄化えそ病は、メロン黄化えそウイルス(MYSV)により引き起こされるキュウリの病気で、ミナミキイロアザミウマによりウイルスが媒介される。現在、MYSVに直接効果のある農薬がないため、媒介するミナミキイロアザミウマの駆除が必要となるが、媒介虫が非常に小さいため防除が難しい。また近年薬剤抵抗性を持つ虫が現れていることから、キュウリ黄化えそ病抵抗性を持つキュウリ品種の育成が求められていた。
キュウリ黄化えそ病は日本の発生が世界で初めて。同機構はこの度、キュウリ遺伝資源の中から抵抗性素材を見つけ、抵抗性を持つ育成素材を育成することに世界で初めて成功した。
MYSVに感染した従来のキュウリ品種では、葉にモザイクなどの症状が表れ、収量低下と商品果率低下の原因となり、5~7割程度の減収となっていた。
新品種「きゅうり中間母本農7号」はMSYVに感染しても、従来の品種に比べて病徴が軽く、1~2割程度の減収に抑えることが可能だという。
現在農研機構では民間種苗会社と同品種の開発を進めており、5年後の実用品種育成が見込まれている。
(写真)きゅうり中間母本農7号の植物体と果実、左がMYSV接種を摂取したきゅうり中間母本農7号の葉、右もMYSV接種を摂取した従来の一般品種:両写真ともに農研機構提供
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