油粕が家畜飼料に使える ナタネ新品種「きらきら銀河」2016年1月12日
農研機構は1月6日、エルシン酸を含まず、グルコシノレート含量が低いダブルロー品種の寒冷地向きナタネ新品種「きらきら銀河」の育成を発表した。
エルシン酸は大量に摂取すると心臓に疾患を生じる可能性があるとされ、食用油には無エルシン酸品種が望ましいとされている。グルコシノレートは大量に家畜が摂取すると甲状腺肥大を引き起こすとされるが、搾油した際に油に溶け出すことはない。現在、日本ではエルシン酸を含まないがグルコシノレートを多く含む品種が主として作付されており、種子を絞った油は食用に、ミール(搾り粕)は肥料として利用されている。
今回開発された「きらきら銀河」はグルコシノレート含量が低いため、ミールを牛や豚、鶏の飼料として利用できる。
東北地域で栽培される、同じくダブルロー品種の「キラリボシ」より多収。また耐倒伏性や低温のために葉や茎が枯れる寒害の抵抗性は、北海道や東北地域で多く栽培されるエルシン酸を含まない「キザキノナタネ」と同程度の"強"。菌核病抵抗性は「キザキノナタネ」より弱いため適切な防除が必要で、多発地域での栽培は避けるよう呼びかけている。
現在は東北地域で50haの作付が見込まれており、今後「きらきら銀河」の食用油の商品開発やミールの飼料としての利用拡大が期待されている。
「きらきら銀河」の名称は、「ナタネの花が銀河のようにきらめいて咲いている様子」をイメージしてつけられた。
(写真)草型・左からきらきら銀河、キザキノナタネ、キラリボシ
(関連記事)
・寒締め栽培で 機能性成分富むホウレンソウ 農研機構 (15.12.28)
・土着天敵「タバコカスミカメ」利用技術マニュアル 農研機構 (15.12.09)
・キュウリ黄化えそ病に強いキュウリ 5年後実用か 農研機構 (15.12.07)
・「農業生産支援の最前線」内閣府SIP公開シンポジウム 農研機構 (15.12.02)
・シャインマスカット 10℃で香り維持 農研機構 (15.12.01)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日